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imecら、TFT技術を活用した曲がるIoT向け小型タッチスクリーンタグを開発

ベルギーの独立系研究機関imecおよびオランダの政府系研究機関TNO、ならびに世界規模のゲームサプライヤであるCartamundiの3者は、標準的なタッチスクリーン(C-touch)と通信できる、フレキシブルな容量識別タグ(C-touchタグ)を開発したことを発表した。同成果の詳細は、12月16日付けの「Nature Electronics」に掲載された。

C-touchタグは薄型かつフレキシブル性が特徴で、チケット、認証文書、支払いカードなどのさまざまな紙およびプラスチックに搭載することで、スマート製品へと簡単にアップグレードさせることができるようになり、簡単にスマートフォンやさまざまなタッチスクリーンと安全なやり取りを可能とする。

また、インターネットへの接続は、タッチスクリーン上にタグをつけたモノを置くか、あるいは逆にタグ付きのモノの上にタッチスクリーンを置くかすることで行えるという。

さらに、通信に必要なアンテナはモノリシックに統合され、チップの一部とすることができるため、従来のNFCタグに比べても小型化が可能で、低コストでの生産も期待できるとしている。このタグは、 imecとTNOによりオランダ・アイントホーフェンに設立されたオープンイノベーション研究施設であるHolst Centreで開発された。

○TFT技術の活用から生まれたC-touchタグ

この新たに開発されたC-touchタグは、ディスプレイなどで広く採用されているTFT技術を利用しており、タッチスクリーンからの光を電気に変換する薄膜電池または薄膜太陽電池によって電力が供給される。タグ容量は12ビットで、0.6Vの供給電圧で最大36bpsのデータ転送速度を実現し、オンチップモノリシックアンテナを含め、600mVの供給電圧で38nWの消費電力を実現したとする。

imecのプリンシパルサイエンティスト兼研究開発チームリーダーであるKris Myny氏は、「今回開発したC-touchタグは、広く普及しているタッチスクリーンリーダーを活用できるため、リーダーの数が限られている標準のRFIDまたはNFCソリューションと比較して、多数の新しいアプリケーションへの道を開くだろう。現在、Apple、Samsung、Huaweiなど、さまざまなブランドのさまざまなタッチスクリーンを使用して、タグシステムと通信方法をテストしている」と述べている。

また、次のステップでは、タグの性能を改善しつつ、タッチスクリーンとの双方向通信などの機能を搭載することで、さまざまなアプリケーションに向けて、C-touchタグに基づいたソリューションの開発で企業と協力していきたいとしており、Cartamundiでは、C-touchタグを活用したデジタルとフィジカルの垣根をなくしたゲームを開発したいとしている。

なお、C-touchタグは、欧州連合から研究資金援助を受けて開発されたものであるという。



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