Appleは世界スマートフォン市場において、業界利益の66%、売上高全体の32%を獲得していることが、調査会社Counterpoint Technology Market Researchの調査で明らかになりました。
世界スマホ市場の利益は前年同期比で11%減少
Counterpointによると、2019年第3四半期(7月〜9月)における世界スマートフォン市場全体の利益は、前年同期比で11%減の120億ドル(約1兆3,120億円)となりました。これは低〜中価格帯の製品の増加と、主要スマホOEMの売上高が減少したためと同社は分析しています。
上位10ブランドのうち、対前年同期比で売上高を伸ばしたのはSamsungとHuaweiのみでした。
Appleは利益の66%を獲得
しかし対前年同期比では売上高を落としたとは言え(Appleは10月末に行った同社2019年第4四半期(7月〜9月)業績発表で、iPhoneの売上高が前年同期から9.2%減少したと発表)、Appleは世界スマホ市場全体の売上高の32%、利益に至っては66%を得ています。
Appleがスマホ事業において利益を獲得し続けているのは、米国、欧州、日本といった主要市場で強固なユーザー基盤を確立しているためです。Apple TV+やApple Arcadeといったサービスにより、Appleは今後もスマホにおいて利益を得続けるだろうと、Counterpointは述べています。
低い中国メーカーの利益幅
一方2位のSamsungの利益は17%で、首位Appleとはかけ離れています。
また台数ではシェアを拡大しているものの、中国メーカーのHuawei、Oppo、Vivo、Xiaomiの利益幅は非常に低いことが、このグラフからわかります。
中国ブランドも、ユーザーを対象とした新サービスの導入や関連機器の投入で利益を得ようとしていますが、スマホの買い替えサイクルの長期化や、Appleの低価格モデル投入戦略(今年発売のiPhone11など)に押され、平均販売価格(ASP)や利益幅を上げるのが難しくなっているというのが、Counterpointの分析です。