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11万年前ごろまで存続か 原人「エレクトス」―インドネシア・ジャワ島

インドネシア・ジャワ島のガンドン遺跡で1930年代に発見された原人「ホモ・エレクトス」の頭骨化石のレプリカを示すラッセル・ショハン米アイオワ大教授(同大提供)

現生人類(ホモ・サピエンス)の祖先の一つである原人、ホモ・エレクトスは、インドネシア・ジャワ島では11万7000年前から10万8000年前まで存続していたことが分かったと、同国のバンドン工科大や米アイオワ大などの国際研究チームが発表した。論文は19日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

ジャワ島のガンドン遺跡で1930年代前半に発見されていた頭骨や脚の骨の化石について、年代を間接的に推定した。ジャワ島付近のエレクトスがその後、いつ絶滅したかは特定できないが、草原が多い環境が気候変動で熱帯雨林に変わり、適応できなかったと考えられるという。

1930年代に原人「ホモ・エレクトス」の化石が見つかっていたインドネシア・ジャワ島のガンドン遺跡で、2010年に行われた発掘調査の様子(ラッセル・ショハン米アイオワ大教授提供)

エレクトスはアフリカで180万年前までに出現し、完全な直立二足歩行でユーラシアに進出。一部は北京原人やジャワ原人と呼ばれ、ジャワ島には150万年前までに到達したとみられる。

ガンドン遺跡はソロ川流域の高台にあり、エレクトス化石は頭骨が12個、脚の骨が2個見つかっているが、年代がはっきりしなかった。国際研究チームは、同じ地層から多数見つかった動物の骨や歯の年代測定などにより絞り込んだ。

ジャワ島に近いフローレス島では、10万年前から6万年前の小柄な「ホモ・フロレシエンシス」の化石が見つかっている。今年4月にはフィリピン・ルソン島の洞窟で発見された5万年以上前の化石が新種「ホモ・ルゾネンシス」に分類された。アフリカで約20万年前までに出現し、新たに進出してきた現生人類が完全に制覇するまで、東南アジアには多様な人類が生息していたことになる。



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