65才以上の高齢者世帯数は2372万4000に上り、約6割が高齢者のみで暮らしている※。離れて暮らす親は気になるけど、頻繁には帰れないし…。そこで注目なのが新たな親の見守りサービス『まごチャンネル with SECOM』。開発チームを直撃!
セコムとチカクが共同で親の見守りサービスを開始。
『まごチャンネル』一式。記者も実家で使ってみた。
孫の写真をテレビで楽しみながら子は親の見守り
「年老いた親は心配だけど、忙しくて頻繁に帰省できない。せめて孫の写真を送ってあげたいけど、親はスマホをうまく使えないし…」
そんな人におすすめなのがシニア向けIoTサービスを提供するチカクが手がける『まごチャンネル』。実家のテレビに受信機を設置し、専用アプリから写真や動画を送信すると、親はいつでも大画面テレビで閲覧できるというサービスだ。
このサービスに、セコムの見守り機能を追加した『まごチャンネル with SECOM』が新たに登場。セキュリティサービスを展開するセコムとスタートアップ企業・チカクがタッグを組んだ。
セコム・マーケティング部の佐藤弘樹さんによると、
「高齢化が進み、『親の見守り』という検索ワードでの弊社ホームページへのアクセスが、ここ数年増え続けています。本格的な警備サービスは必要ないけど、親の様子が心配だと感じている人に向けた、親の日常をゆるやかに見守る、『たのしい、みまもり。』がコンセプト。
親は家族の写真や動画を楽しみながら、子供はアプリで親の暮らしの様子を確認できる。ちょうどいい距離感で親の見守りができます」
同・マーケティング部の伊達恵子さんは、山梨に住む実家に導入したところ、
「孫の写真や動画だけでなく、ペット、私の昼ご飯など日常のちょっとした風景を撮影して送り、楽しんでもらっています。親は、新着写真や動画を知らせるマークが灯るのを楽しみにしていますよ」。このサービスを通じて、親子の会話も増えたそう。
本体とテレビをつなぎ、リモコンで切り替えるだけ。
親世代でも使いやすいかどうか
使い方はいたってシンプル。
子供側は、自分のスマホに2種類のアプリをインストール。写真や動画を送信するには『まごチャンネルアプリ』を、親の見守りには『みまもりアンテナアプリ』を利用する。
親側は、受信機とテレビをHDMIケーブルで接続。写真や動画を見たいときは、テレビのリモコンで接続を切り替えるだけなので、親世代でもこれなら抵抗なく使えそう。
HDMIケーブルでテレビと受信機を繋ぐ。
写真や動画を専用アプリから送信。
「本体にSIMカードが入っているのでインターネット環境がなくても使えます。シニアのかたに日常的に使っていただくために、操作もデザインも徹底的にシンプルにこだわりました」と、セコムとともに開発を手がけたチカクの代表取締役社長・梶原健司さん。
受信機には写真は5万枚、1分程度の動画は2000本を送信可能。「災害時の情報をスマホでキャプチャし、親に大画面で知らせるといった使い方をしている人も。スマホの画面では見にくいけど、大画面テレビだと親世代は見やすい」(伊達さん)
また、受信機背面には見守りセンサーがついている。「センサーで部屋の照度や音の有無、温度、湿度を感知し、親の起床や就寝をアプリでお知らせしてくれます。また、部屋の温度や湿度から熱中症のリスクを知らせてくれるので、体調の変化が心配な夏場にも役立ちます」(伊達さん)。