これまで、将棋電王戦をいくつも取材し、棋士とコンピューターとの対局の面白さ、盛り上がりを伝えてきた筆者が、チェスでAIと対局できるチェス盤「SQUARE OFF」のGrand Kingdom Setをお借りして体験することになりました。
コンピューターチェスといえば、1996年にIBMのディープ・ブルーと当時のチェス世界チャンピオンであるガルリ・カスパロフが対局し、ディープ・ブルーが勝利したことで、コンピューターに人間が敗北したと騒がれました。その後コンピューターチェスはさらに発展し、いまや人間は勝てない領域に達しています。
同様にコンピューターが勝つには数十年かかると言われた将棋、囲碁も立て続けにトップ棋士が滑落。将棋電王戦も2017年をもって終了し、囲碁もあまり騒がれることはなくなりました。競り合っているときが一番楽しく、コンピューターにはもう勝てないとなってしまったら、みなさん興味無くなっちゃうんですよね。
そんなコンピューター(AI)との対局は、誰でもスマホやパソコンの画面上で行なえますが、このGrand Kingdom Setは、AIの考えた手を実際の棋盤上でコマを動かして対局できるというもの。将棋電王戦の電王手さんを思い起こしますが、ロボットアームがコマを掴んで動かすというのではなく、コマがコマの隙間を縫うようにツツツーっと動くというもの。