「ダークパターン」とは心理学的な仕組みを用いてユーザーをだまし、企業の利益になる方向へ意図的に行動を誘導するためのウェブデザインのこと。プリンストン大学の研究チームが行った調査により、ダークパターンが幅広いオンラインショッピングサイトにおいて使用されている実態が明らかとなりました。
ダークパターンはユーザーを引っかけて利益を得るためのウェブデザインに対し、ロンドンのデザイナーであるHarry Brignull氏が命名したもの。ウェブデザイナーは利益向上を求める上司による圧力や、自身の評価としてデータが過度に重視される環境などにより、ダークパターンを作成するようになってしまうといわれています。
プリンストン大学の大学院生であるArunesh Mathur氏の研究チームは、1万1000個ものショッピングサイトにおける5万個を超える商品を対象にクローリングを行い、既知または新規のダークパターンを探し出す調査を実施。その結果、なんと1254個のウェブサイトで合計1800個を超えるダークパターンが検出されたとのことで、対象となったサイトのうち10%以上でダークパターンが使われていることがわかりました。
研究チームは今回の調査中に出くわしたさまざまなダークパターンの手口について、実際のウェブサイトで発生した状況をもとに解説しています。
◆1:こっそりユーザーの支払額を増やす
こっそりとユーザーの支払額を増やすダークパターンの一例としては、「花を購入した際、勝手にグリーティングカードが購入カートに追加されている」というものや……
「スマートフォンを買う際、勝手にスクリーン保護フィルムが追加されている」といったパターンなどがあります。