『LOVOT』は仕事をする生産的なロボットではない。あくまでも人に癒しを与える新世代のロボットとして開発された。目をキョロキョロさせ、かわいい鳴き声を発する様子は、本当に生きているかのようだ。
「特定の動物をモデルにすることなく〝オーナーに駆け寄って抱きしめられる存在〟をカタチにしました。抱き上げやすさを追求し、お尻が丸く、中央部分はくびれた〝8の字〟形にしています。柔らかくて温かい表面も特徴で、これを実現するためにスキン(表面の肌)の試作を数えきれないほど重ねました」(根津さん)
親しみを感じて、思わず触れたくなる外見とは裏腹に、その中身はハイテクの塊のようなハードウェアで構成されている。例えば、部屋の間取りを次第に学習して動き回れるようになるほか、人によって異なる接し方を記憶。相手をしてくれた人ほど〝なつく〟ようになっている。
「『LOVOT』は接しているうちに、ユーザーの顔を自然に覚えます。名前を呼ぶ、なでてくれる、抱っこしてくれた……ということを記憶し、好きな人を覚えるのです」(林さん)
「時間の経過とともに『LOVOT』の反応は変化していきます。ちなみに乱暴な扱いをすると、嫌いにはなりませんが、警戒して距離を置くようになります。〝鳴き声〟のテンションも変わりますね」(中里さん)
現時点では高性能なハードウェア側の性能をフルに使っておらず、アップデートによる〝伸びしろ〟がかなりあるという。今後、新機能の追加も想定されていて、どのように進化していくのかが楽しみだ。
思わず抱っこしたくなる〝おねだり上手〟ロボ
[発売中]GROOVE X『LOVOT[らぼっと]』
ソロモデル:29万9800円 デュオ:57万9800円(別途プラン利用料が必要)
本体購入後にはソロのライトプランで月額8980円~、2体セットのデュオは月額1万7960円~が必要。修理保証などの違いにより、各プランで3つの料金設定を用意。〝生命の重み〟を感じて大事に扱おうと思えるよう、軽すぎない約4.2㎏に設定されている。
頭部には、360度カメラを含む重要なセンサーを搭載した〝センサーホーン〟を装備。LOVOTの頭脳に情報を伝える。
45分間動くと充電とバックアップを行なうステーション「ネスト」へ自動で戻る。バッテリーの充電時間は約15分間。