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商品がくしゃくしゃに変形しても画像認識できる技術、「数枚の画像登録でもOK」

日本電信電話(以下、NTT)は2018年11月26日、「NTT R&Dフォーラム2018(秋)」(同年11月29~30日開催)の報道陣向け先行公開において、同社のAI(人工知能)技術「corevo」の1つとなる「変形対応アングルフリー物体検索技術」を披露した。

 変形対応アングルフリー物体検索技術は、軟包装製品や布製品などの商品形状が変形しうる商品であっても、少数の画像を登録することで画像認識を行えるようにする技術だ。箱などで包装した変形の少ない商品と比べて、軟包装製品や布製品はさまざまなパターンで変形する可能性がある。従来の技術により変形した後の商品を画像認識するには、変形パターンに合わせた数多くの画像を使って学習しておかなければ、認識精度が低くなってしまう。

今回開発した技術では、複数の部分領域ごとに幾何学的拘束を適用し、画像特徴の対応関係から正しい対応を正確に特定する「変形対応幾何検証技術」を採用した。これにより、入力画像と参照画像間の画像特徴による対応付け結果から、複数の対応関係間の距離/回転角度などの幾何学的特徴を使ってクラスタリングすることにより、物体が変形していても正しい対応を特定できる。

NTTは2015年2月に、3D物体をどんな方向から撮影しても高精度に認識できる「アングルフリー物体検索技術」を開発している。変形対応幾何検証技術の開発によってアングルフリー物体検索技術を拡張することで、商品形状が変形していても、どんな方向から撮影しても高精度に認識できる変形対応アングルフリー物体検索技術を開発できた。ただし、変形対応アングルフリー物体検索技術の課題として、商品の重なりには対応できていないという。

展示では、一般的な単眼カメラを用いて、商品形状が変形した軟包装製品を認識できることを見せた他、買い物かごに入れた商品を認識して買い物リストと照合するデモも披露した。「各商品で登録しておくべき画像の枚数は数枚~十数枚になる。画像認識率は80~90%程度だが、実用段階では他のセンサーと組み合わせて100%に近づけることになるだろう。今後は、開発パートナーとの実証実験を進めたい」(NTTの説明員)としている。



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