ドイツの自動車部品大手ボッシュとダイムラーは1年以上前に、カリフォルニア州サンノゼでロボタクシーサービスの試験プログラムの立ち上げを宣言していたが、先日ようやく実施にこぎつけた。
自動運転システムを搭載した、メルセデス・ベンツSクラスセダンが現在、乗客を乗せてシリコンバレー周辺を走行中だ。他社の自動運転の試験プロジェクトと同様に、車両には人間のセーフティドライバーが同乗しており、走行状況を監視している。助手席にはエンジニアが座り、データの収集を行っている。
ボッシュとダイムラーのチームがこの車に乗せるのは、当座のところ2社の従業員のみだ。彼らは近い将来、一般向けにロボタクシーサービスを開始したい意向だが、それは早くても2020年の後半になる見通しだ。
乗降地点は予め決められたポイントのみで、走行ルートも限られている。今後の拡張計画はまだ公には出来ないという。利用を希望する社員は、専用アプリから事前に申し込みを行う必要がある。テストプロジェクトの目的は、ユーザーの反応を見極め、ロボタクシーが今後、どのように都市のエコシステムで活用するかを見極めることにある。
ボッシュとダイムラー間の取り組みは、BMWが他社と進めるプロジェクトとは別物だという。ボッシュとダイムラーは、レベル4とレベル5のロボタクシー技術の開発に特化している。一方、BMWは一般消費車が利用する高速道路上などでの、自動運転システムの開発に注力している。
両社は共にドイツのシュトゥットガルトに本社を持ち、カリフォルニア州サニーベルにも拠点を構えている。彼らはドイツでは、自動運転車のテスト走行やシミュレーションが可能な専用施設で実験を行っている。
ダイムラー・モビリティも人間が運転する車と自動運転車が共存可能な、車両マネージメントプラットフォームの開発を進めている。ダイムラー・モビリティが主導する、配車プラットフォームのテストも、シリコンバレーとドイツで進行中だ。