筆者は文筆業のはしくれ。キーボードには強いこだわりを持っています。頭に浮かんだ文章をWordに叩き込んでいくには、完全にストレスフリー、かつタイピングして快楽を覚えるような打鍵感のキーボードが必須です。そんな私が8年6か月ほど使い続けてきたキーボードがPFUの「Happy Hacking Keyboard(以下HHKB)」。そのラインナップが12月10日に一新され、3グレード16モデルで販売開始されました。今回PFUより実機の提供を受けられたので、レビュー記事をお届けいたします。
■そもそもHHKBってなに?
HHKBは1996年12月に初代機が発売されたハイエンドキーボードのロングセラーモデル。コンパクトサイズに合理的なキー配列で設計された基本コンセプトを20年以上継承しつつ、キータッチやマルチプラットフォーム対応などを進化させてきました。今年には「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」も受賞しています。
本製品のキースイッチには、キー押下時の静電容量値の変化を検出する「静電容量無接点方式」を採用。標準グレードはキーピッチ19.05mm、キーストローク4.0mm、押下圧45gで、高速打鍵性と静粛性を狙ったType-Sグレードはキー内部構造に特別設計を施し、緩衝材を採用した上で、キーストロークを3.8mmにチューニングしています。
▲今回の新製品でも19.05mmのキーピッチ、キーストローク(3.8mmまたは4.00mm)、キー配列はまったく変更ありません。
......と仕様を列挙すると小難しくなるのですが、情緒的にお伝えすれば打鍵した際のブレは最小限、その感触は悦楽的。筆者お気に入りのType-SグレードのHHKBは、強いタイピングでも包み込むように受け止めるような、ちょっと大げさに言えばピアノの鍵盤のような打鍵感を味わえます。
▲奥にあるのは私が8年6ヵ月酷使し続けてきたHHKB。ボディー自体はすっかり変色していますが、機構的にヘタリはありません。まだまだ数年単位で現役で活躍してくれるだけの耐久性が備わっています。
■新製品は3グレード16モデルをラインナップ
HHKBは3グレード16モデルが用意されており、初めて購入を検討する方はどのような違いがあるか悩んでしまいますが、下記プレゼン資料で一目瞭然。手短に言えば、Bluetooth接続・キーマップ変更に対応した標準モデル「HYBRID」(税込み価格30,250円)、高速打鍵・静粛性を実現した上位モデル「HYBRID Type-S」(35,200円)、Bluetooth接続、キーマップ変更機能を削った最廉価モデル「Classic」(25,300円)の3グレードが存在し、それぞれに英語配列、日本語配列、無刻印のキー、ブラックとホワイトのカラーが組み合わされます。ただしClassicのみ日本語配列は用意されていません。
というわけで、(3グレード×3配列×2カラー)ー2ということで、16モデルがラインナップされているわけですね。
▲最廉価モデルのClassicには日本語配列は用意されていませんが、要望が多ければ追加を検討するとのこと。
■ニューモデルはどこが変わった?
新HHKBは合理的なキー配列、コンパクトサイズ、極上のキータッチを継承しつつ、「インターフェースの拡張と進化」「マルチペアリング機能の向上」「キーカスタマイズ機能の進化」の3点をアップデートしました。