Facebookで、本来なら規約で禁止されているはずの悪質な詐欺広告が表示されていたことについて、Facebookの請負業者がマーケティング会社から賄賂を受け取っていたことがわかりました。
Exclusive: A Facebook Contractor Accepted Bribes From A Scammer To Reactivate Banned Ad Accounts
このことはBuzzFeedによるFacebookへの問い合わせによって明らかになりました。賄賂を受け取った請負業者はすでに解雇されており、Facebookの広報担当者は「このような行為は当社では禁止されています。当該人物はすでにFacebookでは仕事をしていませんが、引き続き調査を行い、必要な措置を執ります」と述べています。
賄賂を渡したのはサンディエゴに拠点を置いていたマーケティング会社、Ads Inc.。詐欺広告の内容は、Facebookで有名人に関するフェイクニュース記事を表示し、記事にアクセスすると無料トライアル製品の広告が表示され、トライアル製品を注文した消費者に後になって高額な月額料金を支払わせるといった悪質なものでした。
Ads Inc.の広告に問題があることはFacebookでも検知されていて、Ads Inc.が利用していたFacebookビジネスマネージャーアカウントに紐付けられた59の広告アカウントは凍結されていました。しかし、ビジネスマネージャーアカウントを操作可能な特別なツールにアクセス可能だった担当者のライアン氏が、有償での「アカウント復活の手伝い」をバーク氏に申し出て、バーク氏がこれを受け入れたことにより、Ads Inc.の広告が再表示されてるようになっていたとのこと。「手伝い」の代金は初期費用5000ドル(約54万ドル)と月額3000ドル(約32万円)でした。なお、ライアン氏は凍結されていたはずのアカウントが有効になっている理由を尋ねられた場合について、「“愚か者”なら、“事故”で有効化してしまうこともある」と逃げ道を用意していたことを明らかにしています。
なお、Ads Inc.によれば、ライアン氏以外にもFacebook内にはAds Inc.から賄賂を受け取って広告の再表示をしていた人物がいたとのこと。全貌が気になるところですが、肝心のバーク氏は2019年3月にケニアで起きたヘリコプター事故で死亡。事故後、Ads Inc.は「会社の運営、および方針の全容を把握しているのはバーク氏だけであり、Ads Inc.および関連会社の運営を取りやめる」という内容の声明を発表し、2019年10月に会社運営を停止しました。