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MITがLIGOの重力波観測能力を向上させる新技術! 観測範囲が4億光年に

重力波観測所LIGO(ライゴ)は、2015年にVirgo(ヴァーゴ)と共同で重力波を捉えて以来、その検出感度をさらに高めてきた。1年前には毎月ペースだった重力波の検出頻度は、いまやはほぼ毎週ペースにまでなっているという。

これには、レーザーの出力増大とともに、MITの研究者らによって組み込まれた量子ノイズ軽減技術が一役買っているようだ。

「量子真空スクイーザー」と呼ばれる機器は、量子真空を再構成して量子ノイズを軽減する。

・量子ノイズによる干渉が重力波検出の課題に

LIGOに量子真空スクイーザーが組み込まれたことで、3回目となる4月の運転開始以降、すでに数十個の重力波が検出されている。

LIGOの検出対象となる信号は非常に小さく、これまで量子ノイズによる干渉が課題となっていた。LIGOが観測で用いるレーザーは真空空間を通って検出器に到達するが、じつはこの真空空間にもノイズが生じる。

なにもないと捉えられがちの真空空間だが、量子論的に見れば光子周辺では絶えず仮想粒子の生成と消滅が起きている。LIGOの扱うような極めて繊細な信号では、こうした量子ノイズが重大な影響を及ぼす。厄介なことに、量子ノイズはその不確定な性質から取り除くのが困難だ。

・40年越しで量子スクイーズ技術を改善

量子ノイズの不確定性を軽減する量子スクイーズ技術は、理論については40年近く前に提案され、MITの研究チームにより15年以上前に最初に設計されたもの。それ以来改良が続けられLIGO検出器に組み込まれるに至った。

量子スクイーズでは、レーザーと量子真空の間の相互作用を促進し、通常よりも位相変動が少ない量子真空を再構成する。これにより、量子ノイズの不確定性を軽減して重力波の検出感度を高める。

レーザーの出力増大と同技術の追加により検出範囲は15%拡大。約140メガパーセク(約4億光年)以上離れた発生源からの重力波までが観測対象となった。

量子の不確定性はあくまで気まぐれに軽減できるものとのことで、量子論レベルの改善がいかに難解なものかがうかがい知れる。



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