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ラックがマルチクラウドにおける基盤構築・管理の自動化を支援

ラックは12月9日、マルチクラウド環境での基盤システムの構築や管理を運営する際に発生する課題に対し、インフラ構成管理をコード化・自動化することでクラウド環境の管理を簡便化・迅速化・確実化するHashiCorp(ハシコープ)の「Terraform Enterprise(テラフォーム エンタープライズ)」の取り扱いを開始すると発表した。

クラウド環境における基盤システムの構築や管理には、ガイドに従って操作するだけで構築できるGUI(グラフィック・ユーザ・インターフェース)が採用されているが、複数のクラウド環境やサーバが数百台から千台にものぼる大規模システムでは、GUIによる手作業での構築や管理が管理者の負担になっているという。

そこで、Infrastructure as Code(IaC:インフラの構築・運用に関わる作業をコード化、自動化するアプローチ)が注目されており、システム構築や更新を自動化することで生産性の向上とミスの軽減を実現するソリューションとなる。

Amazon Web Service(AWS)やMicrosoft Azure(Azure)など複数のクラウドサービスでは、インフラの構築、運用を効率化、自動化するために、独自のIaC(AWS CloudFormation、Azure Resource Managerなど)が提供されているものの、これら独自のIaCはマルチクラウド環境には対応していないと、同社は指摘する。

現在、市場に受け入れられているのがHashiCorpの提供する「Terraform」となり、オープンソースソフトウェア(OSS)として提供され、無償で利用できるIaC製品だ。

しかし、企業が構築するシステムが管理統制機能を必要とする場合、ポリシー管理やコスト管理などの機能が必要であることから、HashiCorpは企業が求める機能を加えたTerraform Enterpriseを開発。同製品は、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境に向けて提供されるIaC製品となり、複雑化したクラウド環境に構築された情報システムを簡単・迅速・確実に運用するために必要な機能が提供されている。

ユーザはテキスト形式のファイル上に「どこのクラウドサービスのデータセンターで」「どのようなスペックを持つ仮想マシンやリソースを使うのか」といったインフラの状態をプログラムコードとして記述し、各クラウドに反映する。

対象となるクラウドが数百台、数千台に及ぶような場合、GUIを通した手作業による設定を行うことなく、インフラ環境の構築¥変更を自動で行うことができ、人為的なミスを引き起こすことなく正確かつスピーディな対応を可能としている。

また、コードでインフラの状態を記述することにより、プログラムのバージョン管理を行うGitHubなどのソースコード管理ツールを用いてインフラの状態のレビュー、バージョン管理、テスト、デバッグなどが可能となり、再現や複製も容易だという。

同社ではIaCソリューションの提供を通して、クラウドを活用した事業者がDevOpsによるシステム開発のモダン化を支援するための取り組みを支援していく方針だ。



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