Chirpは、数十万人のApple Watchユーザーに愛用されるTwitter(ツィッター)クライアントアプリだ。昨年に登場して以来の最大のアップグレードが施された。この新バージョンのChirpは、watchOS 6用に設計し直され、以前よりもずっと高速に、しかも無限にスクロールできるタイムライン機能を装備した。また、iOS 13のダークモードのサポートやTwitterーのユーザー名に色を付ける機能なども追加されている。
当初このアプリは、2017年にTwitterが独自のApple Watchアプリの開発を中断し、代わりにApple Watchの通知機能を利用するようにしたことで生じた空白を、ちょうど埋めるように登場した。
Chirpは、Apple Watchの小さな画面から、本物のTwitterクライアントにアクセスすることも可能にしている。それにより、ホームタイムライン、トレンド、メンション、ダイレクトメッセージなども表示できるようになる。ただし、Apple Watchからダイレクトメッセージを送信したり、ツイートを記述したりするものなど、一部の機能は有料のChirp Proでのみ有効となる。
Chirp Proは、ユーザーにとって便利な「欲しい機能だけを買う」機能によって、4.99ドル、5.99ドル、7.99ドルのいずれかの金額を寄付することでアプリをアップグレードできる。サブスクリプションは不要だ。Sensor Towerのデータによると、Chirpはこれまでに、約20万件のインストールを獲得している。有料版ユーザーは、それよりずっと少ない。
新しいバージョンのChirp 2.0では、「手首にTwitter」というユーザー体験を強化して、より多くのユーザーがアップグレードしてくれることを期待している。そのために、以前よりも高速かつ安定して無限にスクロールが可能なタイムライン、強化されたビデオプレーヤー、画像のグリッド表示などを装備している。
「タイムラインを書き直すためのインスピレーションは、私が幸運にもスカラシップを獲得してWWDC 2019に参加したときに得たものです」と、Chirpの開発者であるWill Bishop(ウィル・ビショップ)氏は説明する。「基調講演で、Apple(アップル)はSwiftUIを発表しました。これまでよりずっと速く、デベロッパーがユーザーインターフェースを開発できるようにする新たなフレームワークです。しかも、動作も速くなるのです。それによって、Apple Watch用のアプリを開発する、まったく新しい方法が切り開かれたのです」と彼は続けた。
「SwiftUI以前は、Apple Watchのユーザーインターフェイスは、すべてドラッグ&ドロップで設計していました。これは便利ですが、いくつかの大きな欠点もあります。基調講演での発表からインスピレーションを得たので、私は会場を抜け出して、すぐにSwiftUIを使ってタイムラインの再実装に取り掛かりました」とビショップ氏は述べた。
ダイレクトメッセージ機能も更新され、プライベートメッセージング機能で共有された画像やツイートを含めることができるようになった。
Chirp 2.0では、Apple Watch上で、ライブなコンプリケーションもサポートする。つまり、最近のツイートを文字盤上で直接見ることができ、それらをタップすることでChirpアプリに戻って返信したり、いいねを付けたり、リツイートすることができる。この機能は、Pro版のユーザーのみが使用可能だ。
他にも、Twitterのユーザー名をカラフルにすることで、ちょっとシャレた感じを醸し出す機能もある。これは、ユーザーからのリクエストに応えて実装したもの。アプリ内課金で購入できる。このオプションを有効にするための料金は、Proユーザーの場合は1ドル、そうでなければ2ドルだ。ビショップ氏の場合、そうした機能を実装するための自身の作業の負荷に応じて価格を決定している。そうしたオプションへの課金によって、Pro版の購入にお金を払いたくないという人からも、それなりの収入を得ることができるのだ。
ただしビショップ氏によれば、このオプションは6月のPride(プライド)月間には無料で利用できるため、誰でもユーザー名を虹色にすることができるという。
さらにChirp 2.0は、英語以外にも、中国語(簡体字)、デンマーク語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語(ラテンアメリカ)といった言語でも利用できるようになった。アプリ自体は、iOSやApple WatchのApp Storeから無料でダウンロード可能だ。