アップルの完全ワイヤレスイヤホンAirPodsは、出荷が昨年から倍増しているとの観測が報じられていました。その一因が10月に発売された上位モデルAirPods Proの需要が「予想よりもはるかに好調」なことであり、それを受けてAirPods Proの増産が発注されたとの噂もあります。
そうしたワイヤレスイヤホン人気のなか、アップルが2020年に新型iPhoneにAirPodsを同梱することを検討しているとの予測が伝えられています。台湾の業界情報誌DigiTimesによると、「アップル、サムスン、Xiaomiなどのスマートフォンベンダーは来年、新型モデルをTWSイヤホンにバンドルしようとしている」とのことです。ここでいうTWS(完全ワイヤレス)には、AirPodsやサムスンのGalaxy Budsなどが含まれています。
AirPodsの価格は米国で159ドル〜、日本でも1万7800円(税別)〜であり、スマートフォンの付属品としては高価すぎるとも思われます。しかもiPhone 12(iPhone2020年モデルの仮称)は5G対応や背面3Dカメラ搭載など製造コストの上昇が予想されており、その上に高価なアクセサリーを同梱して価格を抑えるのは困難なはず。
DigiTimesは台湾サプライチェーン情報に詳しく、部品の調達やスマートフォンの生産台数に関しては信頼がおけますが、それ以外には予測の実績が乏しくもあります。
アップルは数年前からiPhoneにLightningコネクタ付きの有線イヤホン(EarPods)を同梱していますが、これらは公式ストアでもわずか2800円(税別)で販売されています。つまりアップルが負担するコストも極めて小さく、高価なAirPodsが付いてくると推測する根拠にはしにくいわけです。
とはいえ、米MacRumorsはアップルが「iPhoneにEarPodsよりも新しいものを同梱すべき時期だ」と単純に感じている可能性もあると指摘しています。AirPodsはすでに世界で最も売れている完全ワイヤレスイヤホンと言われており、iPhoneに同梱することで、そのリードをさらに伸ばせる利点もあるでしょう。
今回の噂が本当であれば、AirPodsはより高価なProモデルのみに同梱されるとも思われます。おそらく来年秋のiPhone 12シリーズ発表まで10ヶ月以上もあるため、今後これを補強する材料が報じられるかどうかを確認したいところです。