東北大の研究チームが開発した「電気で潤うコンタクトレンズ」の仕組み。電流でコンタクトレンズ内に涙液の流れを生じさせ、乾燥を防ぐ。(西沢松彦・東北大教授提供)
東北大の研究チームは、通電することで内部に微小な水の流れを生じさせ、乾燥を防ぐコンタクトレンズを試作した。論文は29日までに、独科学誌アドバンスト・マテリアルズ・テクノロジーズに掲載された。
人間の涙にはわずかな脂質が含まれ、目の表面で膜を作って乾燥を防いでいるが、コンタクトレンズ装用時にはこの油膜が壊されるため、レンズを通じて涙が蒸発し、ドライアイを引き起こすことも多い。
東北大の西沢松彦教授らは、電気を流すとプラスイオンの動く方向に水が引っ張られる「電気浸透流」(EOF)という現象を応用。従来のコンタクトレンズにも使われる素材から、効率良くEOFが生じる保水性ゲルを合成。上下に電極を付けてEOFを発生させ、下まぶたから涙をくみ上げるコンタクトレンズを試作した。