AMDは第三世代RyzenシリーズCPUの最上位「Threadripper 3990X」を2020年に発売すると予告しました。そのスペックはほとんどが明かされなかったものの、64コア128スレッド、合計288MBものキャッシュを搭載します。一方でTDPは280Wで、よりコア数の少ないThreadripper 3970Xや3960Xと変わらないとのことです。気になるクロック周波数や価格などはまだ公表されませんでした。価格は、Ryzen Threadripper 3970X(32コア64スレッド)が税別23万3800円、同3960X(24コア48スレッド)が税別16万4800円となっていることを考えると、3990Xの価格は少なくともそれ以上になるはずです。
同じ64コア128スレッド構成のAMD製チップとしては「EPYC 7742」があります。ただEPYC 7742はサーバー向けのチップ。このThreadripper 3990Xはワークステーション用途のCPUとして、64コアで128スレッドを備え最上位の座に着くということです。
ThreadripperシリーズのCPUは、ゲーミング用途よりはビデオ編集や3Dアニメーション制作などといったクリエイター系コンテンツ制作向けに設計されており、その分野に関してはほとんどのベンチマークテストでインテル製、たとえばCore i9-10980XEやCore i9-9980XEといったCPUをしのぐ性能を発揮します。また価格面でも、同じ性能ならAMDに軍配が上がる傾向が見られます。
今月初め、インテルは56コア112スレッドのXeon Platinum 9282のベンチマークを公開し、それがEPYC 7742よりも高性能であることをアピールしていました。それでも、サーバーやワークステーション用CPUでのAMDの性能躍進に、インテルは少し警戒を強めていそうです。