ノズルだけでもすごい発明なのに、それが動けるロボまで作るとは!
ハーバード大学のWyss Institute(ヴィース研究所)とHarvard SEAS(ハーバード・工学/応用科学スクール)のエンジニアたちが、「マルチマテリアル・マルチノズル3D(通称MM3D)」と名付けた3Dプリンタによる新しい印刷技術を開発しました。
ノズルが凄い!
これはひとつのノズルで8種の素材をシームレスに3D印刷し、複雑な3Dオブジェクトを短時間で作成させることが可能です。
違う色のフィラメントも、硬い素材も柔らかい素材も、同じノズルから自由自在に継ぎ目なくニュルニュルと押し出されていき、それらを組み合わせればとてつもなく複雑なものが印刷できるようになります。
そんなノズルが複数集まれば、空気圧で動かせるソフト・ロボットを生成することだって可能になってしまいます。
インクを超高速切り替えができる内部機構
ノズルが素材を切り替えられる速度は、1秒間で50回。あまりの速さに人間の目では追いつけません。その速すぎるインクの切り替えは、超高速空気圧アクチュエイターが内部にあるY字路となった複数のインク容器に働きかけることにより実現されるとのことです。
そしてノズルの形状、印刷圧力、インク粘度を正確に調整することで、圧力が加えられたときに流れているインクが混合したり、別の流路に逆流するのを防げる、とも説明があります。
応用してソフト・ロボットを作り出す
そして研究者らは、ゴムのようなエラストマー素材を使い、足となる爪のようなパーツを前後互い違いに折りたたむよう並べ、これらを空気圧で交互に動かすことで歩けるソフト・ロボットが生み出しました。このロボットは1秒間に1.3cmの速度で歩くことができ、自重の8倍のものを運べるほど強靭な足を持っています。
今後の展望
これまでは全部のノズルから同じ素材を同じタイミングでしか押し出せませんでしたが、現在は各ノズルから別々の素材を出し、もっと複雑なものを印刷できるよう改造を加えているとのことです。
工夫次第でノズルの数も増やせるでしょうし、そうなると何を生み出せるのか? もう人間の想像力が追い付かなさそうです。皆さんだったらどんなものを印刷します?
2019-11-25 01:46:22