Appleは、2020年に公開するiOS14で、不具合を減らすことを重視した開発方針をとる模様です。不具合が頻発したiOS13などの反省を踏まえた方針転換とみられます。
コードネーム「Azul」のiOS14、安定性向上に取り組む
Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏は社内のソフトウェア開発者の会議で、2020年に公開するiOS14などのソフトウェアは、安定性向上のためいくつかの機能追加を2021年まで遅らせる方針を語った、とBloombergが報じています。
2019年に公開したiOS13では、大小さまざまな不具合が多く、9月の公開から2カ月間ほぼ毎週、合計8回もアップデートを提供しています。
Appleは、「Azul」のコードネームで進められているiOS14の開発に、「Flags」と呼ばれる手法を採り入れ、不具合の修正状態に応じて機能を有効化可能にすることで安定性の向上をはかる方針です。
なお、「Flags」はGoogleやMicrosoftをはじめソフトウェア業界では広く導入されている手法とのことです。
ベータの段階から異例続き
iOS13では、iOS13の正式版公開前にiOS13.1のベータが公開されるという極めて異例の事態に、多くの開発者や報道関係者が驚きました。
モバイルデータ通信がつながらなくなる不具合や、バックグラウンドのアプリが強制終了する不具合は、11月に公開されたiOS13.2.2でようやく修正されました。
安定性を重視していたiOS12
10月には、iOS13でバグが多い理由について元Appleのソフトウェア技術者が「バグ対応の優先順位」など6つの理由を挙げて指摘しています。
2018年に公開されたiOS12は、安定性向上を重視して開発されたバージョンで、新機能追加はiOS13に先送りされていました。