植物の生殖方法の一つで葉や根、茎から新しい個体を作る「栄養繁殖」の仕組みを解明したと、京都産業大などの研究チームが発表した。日本の国際学術誌の電子版に論文が掲載される。
栄養繁殖は、切り枝を土などに挿して育てる「挿し木」などに応用されている。研究チームは北米の水辺に生息するアブラナ科の植物ロリッパの葉を切断し、遺伝子の働きなどを調べた。
それによると、植物ホルモンの「オーキシン」が葉の先端部側の断面で作られ、根元側に輸送されて蓄積。根や葉の形成に関与する遺伝子がオーキシンの働きによって根元側で活性化し、植物ロリッパのクローンが根元側にできた。
研究チームの木村成介京都産大教授は「栄養繁殖の仕組みは、絶滅危惧種の繁殖などに生かすことができるのではないか」と話した。
2019-11-21 18:46:06