Googleは「プロジェクト・ナイチンゲール」というコード名で呼ばれるプロジェクトの下、アメリカの21の州で何百万もの患者記録を収集していたと報告されています。この大規模な医療記録の収集プロジェクトについて、医師や患者への通知はなかったと報じられています。
Google’s alleged ‘Project Nightingale’ may be secretly gathering health records - The Verge
Wall Street Journalのロブ・コープランド氏は、プロジェクト・ナイチンゲールによって収集されたデータには、検査結果・医師の診断・入院記録・患者名・生年月日など、個人情報を含む患者の診断履歴が含まれていたと報告しています。
Googleは、セントルイスに拠点を置くカトリックのヘルスケアシステムであるAscensionと提携し、21の州とコロンビア特別区で活動しています。プロジェクト・ナイチンゲールの一環として、Ascensionは患者のデータを無断でGoogleのクラウドサーバーにアップロードしているとForbesが報告しています。アップロードの目的は、Ascensionの医師が「患者検索」と呼ばれるツールで、患者の情報を参照できるようにするためであったとのこと。「このページには患者の完全な情報に加えて、患者の医療的な問題や診断結果、投薬に関するメモが含まれている」とForbesは報告しています。
さらにGoogleは、シカゴ大学のメディカルセンターを通じた数十万件の医療記録への不適切なアクセスで告発されています。Googleは医療記録を収集した目的について、「機械学習で症状が発生する前にニーズを予測すること」「患者が入院するかどうか、入院期間、尿路感染症、肺炎、心不全などの治療後に健康が悪化するかどうかといったケースを正確に予測すること」などを目的としていたとブログで述べています。
Ascensionはプレスリリースを発表し、Googleとのパートナーシップの目的は「個人および集団の健康状態を最適化したデジタルのポートフォリオを提供することである」と述べました。また、「AscensionのGoogleに関連するすべての作業はHIPAAに準拠しており、堅牢なデータセキュリティと保護への取り組み、およびデータ処理に関するAscensionの厳格なルールを順守しています」と述べていますが、患者に知らされることなく患者データがGoogleによって収集・使用されているという事実については触れませんでした。
2019-11-11 20:20:38