スマートフォンを合体式モジュールで機能拡張できる「合体スマホ」は男子のロマンが詰まった端末と言えるでしょう。しかしモトローラの「Moto mods」やASUSの「ROG Phone」など合体式アクセサリが多数揃ったスマートフォンの数はあまり多くありません。
ところが中国のDoogeeがやってくれました。10月に発売された「S95 Pro」は本体背面にバッテリーまたはスピーカーを装着できる合体スマホなのです。しかも本体価格は399ドル、モジュールセットでも499ドル。これくらいの価格差ならセットで買おうと思える値段です。
S95 ProのスペックはCPUがHelio P90、RAM8GB、ROM128GB、6.3インチ2160x1080ピクセルディスプレイ、5000mAhバッテリー。なおDoogeeの製品は防水防塵対応モデルが多く、S95 ProもIPX68、MIL-STD-810Gに準拠しています。このあたりの性能は中国の非メジャーメーカー製品としては一般的です。
特徴は2つ。まずカメラは4800万画素の標準に800万画素のワイドと800万画素の深度測定用の3つ。それにフラッシュを加え背面中央上にスクエアな形にまとめています。そしてカメラの下のほうを見ると4x4のピンが並んでいます。これを介して背面に装着する合体モジュールと電気的に接続されるわけです。
合体モジュールは2つが提供されます。まずは追加のセカンドバッテリー。3600mAhの容量で本体バッテリーの寿命を1.5倍以上に伸ばしてくれます。S95 Proはワイヤレス充電に対応していますが、このバッテリーモジュールも同様にワイヤレス充電が可能とのこと。
もう1つが高音質スピーカーモジュール。6ワット出力の27ミリスピーカーを搭載し、本体内の独自バッテリーを使って最大10時間の音楽再生が可能というもの。
合体できるバッテリーやスピーカーはMoto modsにもありました。しかしモトローラのスマートフォンを買ってそれらのモジュールを別途買いそろえていくとかなりの金額になってしまいます。そこでDoogeeは「S95 Pro Package」という2つのモジュールをセットにしたものを499ドルで販売。後から買い足さなくとも、最初からモジュールが付属してくるのですぐに活用できるのです。
実はこのS95 Proの前のモデル「S90」も合体式のスマートフォンでした。S90はゲーミングスマートフォンとしての用途展開も考えられていたのに加え、背面の2x4x3のピンを使い、バッテリーモジュール、トランシーバーモジュール、夜間カメラモジュールを接続できました。しかしバッテリー以外のモジュールを使うシーンはなかなか無いでしょう。S95 ProはS90のフィードバックを受け、もっとも消費者が欲しいと考えたバッテリーとスピーカーに絞ってモジュールを出してきたと思われます。
S90もS95 Proも背面の拡張端子はピンの数が多く、様々なI/Oに対応していると思われます。今後はピンと背面形状の形を揃え、Moto Modsのようなモジュールの大々的な展開も期待したいもの。なお合体はしませんが今購入するとDoogeeのイヤバッズが無償提供されます。多数のアクセサリを付けたり外したりできるスマートフォンって、持ち運ぶだけでも楽しめるものです。
2019-11-10 19:27:42