Macのパフォーマンスを、パームレストの温度に至るまで詳細に知りたいなら、iStat Menusは必須のアプリだ。新しいバージョン7では、このMac用の最もマニアックなアプリがさらにパワーアップした。
iStat Menus 7には、CPUの負荷状況、ディスクの空き容量、Wi-Fi接続の状態など、Macの内部動作をひと目で確認できる詳細な情報が詰まっている。
これらの情報は、画面上部のメニューバーに小さなアイコンとして表示される。たとえば、Macの動作が突然遅くなったときに、画面上部をさっと見れば、CPUが高負荷状態にあるのか、メモリが不足しているのかを表示されるバーグラフで確認できる。
すべての機能が高度にカスタマイズ可能で、必要な情報を必要なだけ表示できる。これは私が新しいMacに最初にインストールするアプリの1つだが、バージョン7では複数の強力な改良が加えられている。
iStat Menus 7の改良点
iStat Menus 7の改良点の多くは視覚的なものだ。たとえば、macOSの外観に合わせた、魅力的な新しいテーマが数多く用意されている。
また、メニューバーに表示する情報の選択肢も増えた。以前からCPU、メモリ、ストレージ、電源などの設定項目をメニューバーに表示するかどうかを選択できたが、バージョン7では、それぞれの項目で表示する詳細情報をより細かく制御できるようになった。
たとえば、ネットワーク設定では、メニューバーに現在のアップロード/ダウンロード速度、Ping値(ネットワークの応答速度を測る指標)、ネットワークステータス、VPNのステータス、またはこれらの項目の任意の組み合わせなどを表示できる。
さらに、メニューバーの項目をクリックすると、ネットワークのアップロード/ダウンロード履歴を示すグラフ、IPアドレス、現在インターネット接続に負荷をかけているアプリなど、さらに詳細な情報が表示される。いずれもすばらしく詳細で、美しく表現されている。
他のセクションでも、これまで以上に詳細な情報が表示されるようになった。たとえば、CPUセクションでは、現在動作しているプロセッサの周波数に加えて、各コアの負荷も表示されるようになった。
CPUパフォーマンスの履歴を示すグラフもより詳細になり、過去10分から過去28日までのパフォーマンスを表示するタイムラインを選択できるようになった。その間にも多くのデフォルトの期間が用意されている。これは、特定の時間帯や特定の日に何らかの作業をしているときにのみ発生するパフォーマンス問題を特定するのにとても役立つ。
データの「結合」
iStat Menusのアプローチにおける問題点は、メニューバーにすでに表示されている他のアイコンも合わさると画面が煩雑になってしまう可能性があることだ。筆者のように、主に大きな外部ディスプレイを使ってMacを使っている場合は問題ないかもしれないが、13インチディスプレイのMacBook Airユーザーにとっては、すぐにメニューバーが過密になってしまう可能性がある。
しかし、この問題を予期していた本アプリの開発者たちは、情報を1つのメニューバー項目にまとめることができるようにしている。これもまた、表示したい詳細情報をカスタマイズできる。
iStat Menusはハードウェアの状態だけでなく、現在の場所のさまざまなデータを表示する「天気」セクションも備えている。ただし、このデータには追加のサブスク料金がかかってしまう。ほとんどの人にとってはアップル独自の天気アプリがすでに十分な情報を提供しているだろう。
「時刻」セクションは、時計を表示するだけでなく、今後のカレンダーイベントや世界時計も表示できるので、例えば、遠隔地のオフィスの同僚が何時に仕事をしているかを簡単に確認できるなど、より便利になっている。
iStat Menus 7の評価まとめ
パームレストの温度を知りたくない人なんているだろうか?
筆者はiStat Menusの大ファンだ。このアプリは筆者のオタク心をくすぐり、Macやインターネット接続の問題を診断する際に、Apple独自のツールを使うよりもはるかに簡単に問題を特定できる。
価格は買い切りで11.99ドル(日本では税込1800円)と手頃で、iStat Menus 6からの飛躍的な進歩ではないものの、以前のバージョンを持っているなら数ドルの割引が適用されるため、アップグレードする価値はある。
「詳細であればあるほど良い」という考え方の人なら、これは必須のアプリと言えるだろう。