グーグルは、スマホを数回タップ操作するだけで動画編集を行える、強力な自動編集ツールをひそかにテスト中だ。
Android Authorityの最新レポートによると、Googleフォトに「Presets(プリセット)」と呼ばれる新機能が追加され、録画した動画にワンタップで適用できる4つの新エフェクトが実装されるようだ。この機能は、アプリ解析で有名なAssemble Debugによって発見された。Andorodi版Googleフォトの最新バージョン(バージョン6.97)のコード内に隠された、まだリリースされていない機能を有効化することで明らかになったという。これは、現時点では一般ユーザーは利用できないものの、今後のアップデート次第ですぐに使えるようになることを意味する。
4つのプリセットは以下のとおりとなる。
・Basic Cut(ベーシック・カット):長い動画から最も興味深い部分を自動的に切り取り、色調も調整してくれる機能
・Slow Mo(スローモーション):動画の一部にスローモーション効果を追加する機能
・Zoom(ズーム):滑らかなデジタルズームイン効果を追加する機能
・Track(トラック):既存の動画内で、人物などの動く被写体を自動的に追跡する機能
これらの機能の簡単なデモは、以下の動画で見ることができる。
動画初心者にうれしい4つのプリセットの詳細
先の動画で示されているように、新しいコントロールは「編集」をタップした際に表示される「Presets」セクションに配置される。画面下部のニューの「動画」と「切り抜き」の間に表示されるはずだ。この機能が利用可能になると、「New!Auto trim to key moments and add effects with just one tap.(新機能!ワンタップで重要な瞬間を自動トリミングし、エフェクトを追加)」というメッセージが表示されるはずだ。「Presets」をタップすると、上記で説明した以下のオプションが表示される。
・Basic Cut(ベーシック・カット)
「Basic Cut」をタップすると、「Trimming to key moment(重要な瞬間を切り出しています)」というメッセージとともにプログレスバーが表示され、続いて「Enhancing colors(色を補正しています)」というメッセージとプログレスバーが表示される。デモで使用されている7秒のビデオクリップの処理には約5秒かかり、その後、開始点と終了点を手動で調整して微調整を行うことができる。なぜグーグルがここに色補正プロセスを追加することを選択したのかは不明だ。見た目を変更せずに動画の一部を切り取りたいだけの状況も多いだろう。
・Slow Mo(スローモーション)
Slow Moでは、クリップ内でスローモーションで再生するセクションを選択できる。スローモーションにする部分は手動で選択する必要があり、スローモーション効果の速度を制御できる設定はないようだ。
・Zoom(ズーム)
同様に、「Zoom」エフェクトでは、動画のセクションを指定できるが、今回のものは指定したセクションの開始時に約2倍にスムーズにズームインし、終了時にズームアウトする。やはり、ズーム効果の速さを変更することはできないようだ。単純にすばやくズームインとズームアウトを行うだけの機能だ。
・Track(トラック)
動画から「Track」機能が何をしているのかを判断するのは難しい。レポートによると、ビデオクリップ内で動いている人物に自動的にズームインして追跡する機能とのことだ。
残念ながら、これらのプリセットをすべて1つの動画に組み合わせることはできない。プリセット機能は現在、「ベーシックカット」に加えて、残りの3つのオプションから1つだけ選択することに制限されている。ただし、これらの制限の一部あるいはすべてが、ユーザーへの公開前に変更される可能性がある。
動画編集は初心者ユーザーにとって少しハードルが高い。よってグーグルがこのような自動化オプションを追加するのはすばらしいことだ。しかし、実際にどれほど便利なのかは未知数だ。例えば、多くのビデオクリップには複数の「重要な瞬間」が含まれている。これらの新しいプリセットがそのような状況にどのように対処するかは不明だ。より高度な編集が必要なユーザーは、CapCutやAdobe Premiere Rushなどの、より高機能なアプリケーションに切り替える必要があるだろう。