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独自OSスマホは中国の「武器」に、ファーウェイはAI端末で世界を狙う

アップルのiPhoneの中国における販売台数は、3月5日に開示されたカウンターポイントのデータによると、今年の年初からの6週間で前年同期比24%のマイナスで、この市場の4位に沈んでいる。しかし、アップルにとってより深刻な問題は、HUAWEI(ファーウェイ)の勢いが増していることだ。

中国市場の販売台数のトップはVivoだが、本当の勝者は2位のファーウェイで、同社の販売台数は64%も急増した。

ファーウェイは当初、Android OSを搭載した低価格端末でアップルやサムスンのデバイスの性能を広く再現していた。しかし、米国の禁止令によって同社は、Androidの使用を禁じられ、次に米国のチップセットの使用を禁じられた。そんな中、ファーウェイは独自のサプライチェーンと新たなOSのエコシステムを携えて復活を遂げたのだ。

筆者は、2019年に、ファーウェイがHarmonyOSのエコシステムを成功に導けば、彼らは巨大な力を手にすることになると警告していた。これは、ファーウェイが独自の道を歩みだすだけでなく、スマートフォンのエコシステムを10年以上ぶりに大きく揺るがすことを意味する。このことは、米国政府とシリコンバレーにとって悪い知らせに違いない。

それから5年が経過した今、ファーウェイの進化のペースは人々を驚かせている。同社は先月「HarmonyOS Next」を発表し、HarmonyOSからの完全脱却を宣言した。そして、米国企業との取引を禁じられたファーウェイは、エヌビディアでさえも「今や人工知能(AI)分野における重大な競争相手になった」と述べる独自のチップセットの開発に成功した。
AIでも国際展開を目指すファーウェイ
一方、今週報じられたさらに興味深いニュースは、中国のシリコンバレーと呼ばれる深圳が、ファーウェイの取り組みを後押ししていることだ。

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は4日の記事で、深圳市の当局が「HarmonyOSで構築されたネイティブアプリの数を増やし、主要分野での採用を推進する」ことを計画しているだけでなく、2024年の市の行動計画で「HarmonyOSベースのアプリの採用を政府のサービスや教育、ヘルスケア、銀行・金融、交通、福祉を含む分野で義務づけた」と報じた。

この動きが中国全土に拡大する可能性があることは容易に想像がつく。中国政府としては、米国のスマートフォンの支配を打ち破り、独自のソリューションを普及させること以上に望ましいことはないだろう。さらにいうと、ファーウェイの試みはAI分野にも波及する。グーグルは現在、モバイルサービスやアプリでAIを全力で推進しており、サムスンもGalaxy AIを戦略の中心に据えている。そしてアップルも、今秋のiOS 18がAI一色になると予告した。

オンデバイスのAIは、高価なハードウェアを必要とするが、この市場は、より低いコストでより多くのデバイスを提供することを得意としてきた中国のOEMの戦略にマッチするものだ。ファーウェイはその手法で国際的な基盤を築き上げ、シャオミも今同じことをやっている。同社が、北米や欧州市場をあきらめて、その代わりにアジアやアフリカに目を向けて、中国のエコシステムを搭載した低価格のAIデバイスを送り込むとしたら、何が起こるだろう?

AIは、中国が次の国際的な成長を遂げるための重要なツールになるかもしれない。ここでもまた、ファーウェイは着々と準備を進めている。同社のエコシステムには、ハードウェアやチップセット、デバイス、OS、そしてそれらを支えるAIが組み込まれている。そして、中国のOEM各社は、オンデバイスの生成AIの進歩に追いつこうとしている。

現時点では、この見立てはまだ推測の域を出ないが、少なくとも中国市場にとっては、完全に予測可能なことだった。中国は今、第3のスマートフォンのエコシステムを見つけ、その成長を広大な国内市場だけでなく、海外へと広げる方法を模索している。

ファーウェイの復活は、米国政府とシリコンバレーにとって間違いなく悪いニュースだ。11月の米大統領選の結果次第では、過去の米中の衝突が繰り返される可能性があるが、米国にどのようなカードが残されているかは、まだわからない。



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