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カーナビの代わりに「ディスプレーオーディオ」を選ぶ人が増えた、実にもっともな理由

ディスプレーオーディオとは何か

現在販売されているクルマの多くは、純正オーディオが装着されていない“オーディオレス”となっている。その理由のひとつに、カーナビを搭載するクルマが増えたことが挙げられるが、近年ではカーナビ以外のディスプレーオーディオの選択肢も増えてきている。ここでは、ディスプレーオーディオとはいったい何なのかを、ふたつの視点から検証していく。

【画像】えっ…! これが42年前の「カーナビ」です(計11枚)

ディスプレーオーディオとは、その名のとおり「ディスプレー付きのオーディオ」である。簡単に言えば、「カーナビのナビ機能を持たず、音楽だけを楽しむために作られたタッチパネル式のクルマ用オーディオ」である。

ディスプレーオーディオが市場に出回り始めたのは、筆者(宇野源一、元自動車ディーラー)がディーラーに勤務していた2014年頃からである。当時からクルマに搭載されるオーディオはオプションであり、ピアノブラック風に加工されたパネルにつや消しブラックの純正オプションオーディオシステムが装着されているという滑稽な光景をよく目にした。

カーナビを必要としない一定数のユーザーのために、「カーナビ風」のディスプレーオーディオがディーラーオプションとしてラインアップされたのだ。

当時、ディスプレーオーディオはラジオ、Bluetoothオーディオ、AUXくらいしか使えなかった。しかし、2023年8月末時点では、従来の機能に加え、HDMI接続によるスマートフォン(スマホ)のミラーリングやYouTubeの視聴など、エンターテインメント機能が強化されている。

ハイエンドモデルでは、スマホとの連携がさらに強化され、Android AutoやApple CarPlayなどの機能に対応し、スマホアプリもディスプレーオーディオで利用できるようになった。こうしたハイエンドタイプのディスプレーオーディオは、今後も増えていくことが予想される。

ユーザー目線の評価

ここでは、ディスプレーオーディオをふたつの視点から評価する。まず、クルマのエンドユーザーの視点から四つのポイントを見ていく。

●カーナビより低価格
カーナビはクルマに搭載するものという先入観があるため、クルマを購入する際にカーナビをセットで装着するユーザーが多い。その理由のひとつに、近年発売されたクルマにはカーナビのスペースが空いているため、搭載しないと見栄えが悪いということがある。

しかし、最も安いエントリーモデルでも、製品と取り付け工賃で10万円を優に超える。これでは、「テレビは見ないから、もっと安いものが欲しい」というニーズが反映されないため、カーナビを買うのはハードルが高い。地図さえあればカーナビは必要ない、スマホの方が使いやすいからスマホホルダーを使うというユーザーにとって、車内の見栄えのためだけにカーナビを買うのはハードルが高い。

一方、カーナビと同サイズのディスプレーオーディオを購入した場合、機能が絞られていることもあり、製品価格はカーナビの半額程度の5万円前後。仮にハイエンドのスマホアプリが使える11型画面のモデルを購入しても、トータルで15万円から20万円程度で済む。これはカーナビに比べれば安い方だが、ブルーレイディスクも再生できるハイエンド製品を買えば、30万円以上になることもある。

そのため、カーナビと同じような見た目で、ほぼ半額で取り付けられるディスプレーオーディオの方がお得だろう。

残る三つのポイント

残るポイントは三つ。それぞれ次に説明する。

●スマホとの連携
ディスプレーオーディオの機種によっては、Android AutoやApple CarPlayといった、スマホのアプリを画面上で利用できる機能に対応している。

この機能で使えるのは、音楽再生アプリやメッセージアプリ、地図アプリだ。つまり、カーナビを使わなくてもナビ機能が使える。ディスプレーオーディオを搭載しているクルマなら、スマホと連携さえできれば、高価なカーナビを買わなくても道案内ができるのだ。

●テレビ機能がない
カーナビには、地上デジタル放送を視聴できるフルセグやワンセグのテレビ機能が付いている。テレビをまったく見ないユーザーにとっては、もったいない機能だ。さらに、自宅にテレビがなくても、カーナビに受信機能が付いていれば、NHKの受信料を支払う義務がある。カーナビを装着することで、余計な費用負担が発生する可能性が高くなる点も懸念事項だ。

その点、ディスプレーオーディオはテレビ機能がないため、NHK受信料の支払いの心配がないのが魅力のひとつだ。

●大画面の設置が可能
ディスプレーオーディオは一般的な7型、8型に加え、10型、11型といったタブレット端末のような大画面モデルもある。

クルマのインパネ内に収まるインダッシュ型は7型など小型のものが多いが、フローティングタイプはスペースさえあれば大画面を搭載できる。

かつてのポータブルカーナビがダッシュボードに設置されていたように、どんなクルマにも設置できるのが魅力のひとつだ。

自動車メーカーとディーラーの思惑

次に、販売側の視点からの評価と思惑を見ていく。メーカーの視点と、エンドユーザーにクルマを届けるディーラーの視点から解説する。

●製造コストの削減
2000年代初頭まで、日本で販売されるほとんどのクルマには、ラジオやCD、MD、カセットテープなどのエンターテインメント機器を含む「純正オーディオ」が標準装備されていた。しかし、カーナビの普及により、新車購入時に純正オーディオは意図的に取り外され、カーナビと交換されるようになった。純正オーディオはゴミとして処分されるようになった。
ディスプレー・オーディオの導入は、廃棄物を減らすだけでなく、オーディオの製造コストは大きな負担となるため、メーカーにとっては好都合なのである。

●利益の確保
ディーラーはクルマを売るだけでなく、用品(ディーラーオプション)の装着でも利益を上げている。製造時に装着されるオプション(メーカーオプション)と、販売店で装着するディーラーオプションを比較すると、後者の仕組みの方が収益性が高い。

純正オーディオがクルマに付いていない場合は、カーナビやディスプレーオーディオをクルマとセットで販売することで、売り上げ・利益を伸ばすことができる。カーナビを買い控える顧客には、カーナビよりも手頃なディスプレーオーディオをオプションとして提供することで、価格帯の幅を広げ、売り上げをアップできる。

このように、クルマのオプションひとつとっても、考え方次第でさまざまなメリットがある。ディスプレーオーディオは、エンドユーザーは低価格を享受し、メーカーは生産コストを削減し、ディーラーは販売利益を向上させるという、まさに「三方良し」の商品なのだ。


2023-08-25 19:21:40



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