2023年、小型でプレミアムなスマートフォンを夢見る人々にとって、現在のあらゆる価格帯の大型端末のポートフォリオは、その夢が夢のままであることを示している。それでもスマートフォンの小型化を進めようとする人はいる。
Pebble Smartwatch(ペブル・スマートウォッチ)の開発者であるエリック・ミジコフスキーとSmallAndroidPhone.comのチームが、その現状を簡潔に説明している。
「小型のプレミアム携帯がどのOEMのロードマップ上にないことは、ますます明白になっています。だから、自分の手で解決することにしたのです。私のここでの目標は、小型携帯電話のファンを一同に集めて、Google(グーグル)、Samsung(サムスン)、その他誰にでも、小型携帯電話の検討をするように圧力をかけることなのです」
しかし、本格的な小型化は、2023年の今進むべき道なのだろうか?
私は以前から、より小さな形状を好んで使っていた。私は、Nokia(ノキア)7650の2.1インチスクリーン、Nokia N95の「大きな」2.6インチスクリーン、そしてソニーのXperia Compact(エクスペリア・コンパクト)シリーズといった、初期のスマートフォンに多くの時間を費やしてきたので、iPhone mini(アイフォン・ミニ)に対抗する小さなAndroidデバイスのアイデアには、まずは魅力を感じて良いはずだ。
だが今の私の目はそれに対応できず、6.5インチを超えるスマートフォンの大画面化を喜んで迎えている。スマートフォン市場全体を見渡した場合、より大きな画面のスマートフォンに対する需要は非常に多いように思える。
ここには、ニッチな製品が埋める余地が残されている。だが、スマートフォンの分野では、ニッチな製品では、大手メーカーのようなスケールメリットを発揮してコストを抑えることはできない。ありがたいことに、より良い解決策がある。そして、その解決策は今後数年間でより手頃な価格になるだろう。
小型のスマートフォンを求めるパワーユーザーは、それでも性能が同じであること、すばらしいバッテリー寿命、そしてプレミアムな体験など、変わらぬニーズを持っていることが多い。それに加えて、画面も小さいので、置く場所も小さくて済む。しかしその一方で、それは大きな売り上げがある保証はない、厳しいエンジニアリング上の要請だ。
利用者にとって豪華で居心地のよい閉鎖的なエコシステムを持つApple(アップル)でさえ、iPhone 13 miniの販売には苦戦し、米国のiPhone販売のわずか3%しか占めることができなかった。このためアップルはminiのプロジェクトを静かに中止した。売れ筋はどこに向かっているのだろうか? より大きく、よりハイスペックなiPhone Proモデルがその行き先だ。
そして、ここに登場するのがフリップフォン(折りたたみ式携帯電話)だ。筐体内にフルサイズのディスプレイを搭載することで、画面の小型化という妥協は不要になった。広げてみると、フリップフォンはごく普通の縦型携帯電話になる。ただし、真ん中に柔軟なスクリーンがあり、ヒンジ機構によって内部容積は少し小さくなっているが、それでも普通の携帯電話なのだ。
そして折りたたんでしまえば、より小さく、ポケットに入る形状になる。メッセージや通知をすばやく選り分けるためのカバー画面や、通常のスマートフォン作業用の大きなメイン画面など、さまざまな実装が行われている。また、ハイエンド仕様とたとえばカメラなどの高級部品を同じパッケージ内に収めることもできる。
サムスンのZ Flip(Zフリップ)シリーズは、Snapdragon 8第一世代のシステムオンチップを搭載したZ Flip 4をはじめとして、プレミアムな仕様を提供しながら、小さな形状をリードしてきた。Oppo(オッポ)が最近グローバルで発売したFind N2 Flip(ファインドN2フリップ)は、Mediatek Dimensity(メディア・テック・ディメンシティ)9000+を採用し、ほぼ同様の性能を提供している。これらのメーカーは早くから参入しているが、最初のメーカーではない。
フリップスタイルの携帯電話を発売するメーカーが増えれば、ディスプレイの価格が下がり、スクリーンやヒンジの技術への投資が進み、消費者はブランド間の選択肢が増え、メーカーが提供する製品の価格帯も増えるだろう。デバイスが増えれば開発者が対応できる市場も増えることになる。
小さなスマートフォン革命はこのように起きている。これまでの小さなスマートフォンとは違い、開くだけでフルサイズのディスプレイが表示されるのだ。
2023-04-05 20:26:50