外国人向けの中古スマホショップが国内で見かけるように なにはともあれスマホは必要 ニーズに対応している
日本国内でも、ベトナム人は身近になった。全国にベトナム料理屋やベトナム食材屋ができ、大都市のコンビニではベトナム人スタッフをよく見る。そして最近では、ベトナム人による中古スマートフォンショップを見かけるようになっている。
筆者が確認しただけでも、東京では秋葉原や高田馬場や新小岩、埼玉では西川口といった外国人の多いエリアで確認でき、関東以外でも同様に外国人の多いエリアで見られる。Facebookで販売をしたり、自前でサイトを立ち上げて販売している例もある。
中古スマートフォンショップである以上、外国人でなくてももちろん購入できる。売られている商品はスマートフォンだけでなく、タブレットやノートパソコンもある。価格は、筆者が店内で見かけた例では、箱が山積みされたiPhone 8 64GBモデルが1万7000円、iPhone 13 128GBモデルが8万5000円と、最安値ではないものの高すぎでもない金額だ。
ほかにも多数の商品を扱っていて、「予算はこれくらい」とか「スペックはこの程度のAndroidスマートフォンが欲しい」「iPhoneが欲しい」などと言えば対応してくれるはずだ。筆者が訪問した店では応じてくれたが、言葉が通じなければ翻訳アプリで話してもいい。ベトナムでのスマートフォン購入の疑似体験ができるだろう。
また買取も行なっている。筆者は国内のベトナム系中古スマートフォンショップ前で様子を見ていたら、店員から声がかかり「iPhone 14 Pro Maxを持っていたら買い取らせてください、高いですよ」と言われたことがある。その背景には技能実習生や留学生などで来日したベトナム人の増加がある。スマートフォンさえあれば、異国の日本でも楽しくなり不安はだいぶ和らぐ。そのスマートフォンを日本語が不自由なベトナム人でも購入できて、相談に対応してくれると言うことで、ニーズもあって増えているという一面はあるのだろう。
ベトナムでのアップルのシェアは4位 でも実利用ではトップ 正規ではないルートで入っている?
ここで統計を見てみる。調査会社のIDCによれば、2022年のベトナムのスマートフォン市場では、アップル製品、つまりiPhoneは13.1%のシェアで4位。1位はサムスンで36.6%、そしてOPPO、Xiaomiと続く。ところが現在使っている製品のシェアがわかるStatcounterでベトナムの状況を見てみると、iPhoneの割合は30%近い29.61%もあり、ベトナムでの出荷台数で首位のサムスン(26.48%)も上回る。つまりiPhoneはそこまでは売れていないはずなのに、実際には一番使われているという奇妙な状況となっている。
そう言えば、今月初めにベトナムを訪問したときは、スマートフォンショップでiPhoneを扱ってない店はほとんどなかった。これはコロナ禍前のベトナムのショップを思い出しても、iPhoneを扱う割合はずっと高くなっている。そして多くの店が中古を扱っていた。やはりiPhoneは突出した人気があるようだ。
「iPhoneがなぜ人気なのか」というのはベトナムにも多数の記事がある。「ベトナム人は西洋人より形式的要素を重視します。多くの人がモバイルを宝飾品や品位を示すためのツールと見なしています。これはiPhoneが非常に人気になった理由の1つです」「多くのユーザーは、iPhoneを手に持っているときは、未知のブランドの製品や“中国製”のスマートフォンを持っているよりも自信を持っていることが多いと述べています」といった内容を見ることができ、つまりは持つことでメンツを満たし、また見た目や品質がよく、さらにはiOSが更新されて最新環境で使える、といった意見がよくネットにあがっている。
日本向けのiPhoneは品質が高いと見られている? 日本から流れたiPhoneがベトナムで売られている可能性
一方で日本のキャリアショップから販売されたiPhoneが、ベトナムで流通しているというベトナムの報道も数多く確認できる。
「現在、多くの日本製スマートフォンがベトナムの携帯電話市場を席巻しており、多くの店舗で人気を博し、たくさんユーザーから求められています。日本国内で通信事業者を通じて流通・販売されているモデルです。同じモデル、バージョン、メーカーで、最大数百万ドン(200ドンで1円。つまり円換算は200分の1)安くなる可能性があります。評判の良い配送会社による配送が一般的な形式で、料金がかかりますが3日~1週間はかかります。知人や家族を使うのが最も安全で、最短数時間で家まで届き安いのが特徴です」。
「iPhone 12シリーズの後、日本市場からのiPhone 13モデルがラップトップディーラーによってベトナムに輸入され、低価格で販売されました。22年4月初旬にベトナムに送られたiPhone 12と同様に、最近登場したiPhone 13シリーズはすべて“国際製品”で日本市場のJ/Aコードを持っています。製品バージョンはすべて128GBの内部メモリを搭載したモデルです。日本のキャリアは、サービスを使用するために別のユニットから切り替える顧客に、わずか1円の象徴的な価格でiPhoneを喜んで提供します。日本からのiPhone 12または13は、日本のキャリアが消費者の需要を刺激し顧客を引き付けていて、それらが最近ベトナムに多く持ち込まれています」。