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ChatGPTで顧客サポートを自動化するAIスタートアップ「エイダ」

AI(人工知能)でカスタマーサービスを自動化するスタートアップの「エイダ(Ada)」は先月、オープンAIと提携し、ChatGPTのベースである言語モデルの「GPT-3.5」を使用して、顧客サービスのボットをより便利にしていくと発表した。トロントを拠点とするエイダは、エアアジアのフライト予約や、メタ(旧フェイスブック)のVR製品の注文処理などのチャットボットをプログラムしている。

ZohoやLevity AIなどのスタートアップは、以前からAIで企業と顧客のコミュニケーションを合理化する音声アシスタントを開発しているが、オープンAIのChatGPTのコア技術は、質問をするたびにまったく新しい文章を生成するものであり、必ずしも企業が顧客サービスの現場で求めているものとは言い難い。

しかし、エイダのCEOのマイク・マーチソンは、オープンAIの大規模な言語モデルを活用して、顧客とのコミュニケーションを向上させたいと述べている。オープンAIとの提携は、チャットボットが顧客の意図をより良く理解し、自ら回答を作成するためのトレーニングに役立つと彼は指摘する。

マーチソンは、フォーブスの取材にエイダがオープンAIと共通の投資家を持つと述べたが、その投資家にについての詳細を明らかにせず、今回の提携の財務面に関するコメントも控えている。エイダのチャットボットは、2億ドル(約265億円)の資金をアクセルやベッセマーなどの投資家から集め、WeChatやWhatsApp、フェイスブックメッセンジャーなどでも利用可能になっている。

エイダは、2019年から、企業の製品やサービスを説明する文書や、顧客との会話、個人の顧客データなどの機密情報を匿名化した上で学習させる大規模言語モデルの使用を開始していた。

同社はオープンAIの言語モデルを利用して、人間のエージェントにチケットを渡す前に、ボットと顧客との会話のサマリーを作成することも行っているとマーチソンは語る。「当社のボットは、返金を自動化する権限を持つ場合もあるし、人間が発見するのが難しいデータを、拾い集めてくることもできる」と彼は話した。

顧客と自然な会話をするチャットボット

エイダは、グーグルなどの独自の高度なAIを持つ大手テック企業との競争にも直面している。The Informationの報道によると、マイクロソフトもOpenAIと独占ライセンス契約を結んでおり、同社の検索エンジン「Bing」にこの技術を組み込むことを計画しているという。

「学習させるデータ量が多ければ多いほど、AIの成長スピードは速くなる。誰よりもデータ量の多いアマゾンのような大手が運用を開始すれば、明らかに勝者となるだろう」と、AI分野のエンジェル投資家のGeoff Renaudは述べている。

2度の起業経験を持つマーチソンは、顧客は簡単な質問を理解できない間抜けなボットとのチャットを望んでいないと話す。そのため、彼は自社のチャットボットをより自然な会話ができるように訓練するつもりで、オープンAIとの提携は、その目標に近づくためだという。

「私は今、駄菓子屋に迷い込んだ子供のような気分だ。すべては急速に発展しており、私たちが生み出している技術も、オープンAIが生み出している技術も、とてもエキサイティングなものばかりだ」と彼は語った。



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