Googleが10月7日に「Google Pixel 新製品発表会」を開催。自社ブランド「Pixel」を冠する最新スマートフォン「Google Pixel 7」および「Google Pixel 7 Pro」、そして初のスマートウォッチ「Google Pixel Watch」を10月13日に発売することを発表した。
日本でGoogleがリアルの発表会を開催するのは久しぶり。コロナウィルスの流行以降、オンラインでの記者説明会が中心だったが、この日はグローバルで発表されたばかりの製品をすぐに手にして試すことができた。
スンダー・ピチャイCEOがサプライズで登場
発表会の冒頭には、GoogleとAlphabetのCEO、スンダー・ピチャイ氏が登壇。報道陣に配布された進行表には、その名は記載されておらず、サプライズとして登場した形だ。ピチャイ氏は、Googleのミッションが「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」ことにあると話し、それを実現するデバイスとして、Pixelの新製品をアピール。「日本の皆さんにどのように使っていただけるのかが楽しみ」と話していた。
続いて、Pixel Phones プロダクトマネジメント ディレクターのピーター・プルナスキー氏が登場。Pixel 7/Pixel 7 Proのプレゼンテーションが行なわれた。プルナスキー氏は、2世代目となる自社開発にチップ「Tensor G2」の優位性や、「Google Pixel史上最高」と謳うカメラの進化点などをアピールした。
なお、Pixel 7は8万2500円~、Pixel 7 Proは12万4300円~だが、予約特典として次回以降に使えるGoogleストアクレジットと、対象スマホの下取りによって、Pixel 7が実質0円(Pixel 7 Proは実質2万7800円)~になることも発表された。
続いて、Pixel Watch プロダクト マネージャーのパナス・ウナドゥカット氏が登壇。Pixel Watchについて説明された。Google Payに対応し、「Suica」を使えること、Fitbitのヘルスケア機能を搭載する優位性などが強調された。価格は、Wi-Fiモデルが3万9800円で、スマホから離れた状態でも使える4G LTEモデルが4万7800円となっている。なお、対応デバイスはAndroid 8.0以上で、iOSには対応していない。
ボケ補正や30倍ズームなど カメラの進化を実感
発表会の後、新製品に触れられるタッチ&トライの場が設けられ、Googleのスタッフによるデモンストレーションも披露された。
6.3型の有機ELディスプレーを搭載するPixel 7は、前モデルのPixel 6(6.4型)よりもわずかに小さく、Pixel 6a(6.1型)よりも若干大きい。いずれにしろ、片手でも扱いやすいサイズ感だ。背面パネルはガラスで光沢仕上げ。象徴的なカメラバーはメタリックになり、前モデルと同じくメイン(50メガ)+超広角(12メガ)のデュアルカメラが搭載されている。また、5Gの新周波数はSub 6にのみ対応している。
6.7型の有機ディスプレーを搭載するPixel 7 Proは、前モデルのPixel 6 Proに近いサイズ感。5GはSub 6だけでなくミリ波にも対応。カメラが高性能であることもProの優位性で、メイン(50メガ)+超広角(12メガ)+望遠(48メガ)のトリプルカメラを搭載。望遠カメラは光学5倍ズームで撮影でき、デジタルズームを併用して最大30倍で撮影できる。
30倍ズームでの撮影を試してみたが、超解像技術によって、かなり鮮明な画質で写り、ピントも合わせやすいと感じた。また、Pixel 7 Proはマクロフォーカスでの撮影にも対応。被写体に近づけると自動的に起動し、3cmの距離に近づいてもピントを合わせることができる。
Pixel 7/Pixel 7 Proに共通する新機能「ボケ補正」も注目を集めていた。「フォト」アプリの編集機能に追加されたもので、ピントがぼけた写真をAIが解析し、ボケを補正し、シャープな画質にしてくれるというもの。Pixel 7のカメラではピンボケは起こりにくいが、Googleフォトにアップロードしてある古い画像を補正することも可能だ。これは、新チップ「Tensor G2」によって実現するもので、既存モデルでは使えないとのこと。
Google初のスマートウォッチながら 充実した機能を搭載
直径41mmの丸い文字盤を採用したPixel Watch。ステンレスケースは3色で、バンドの色が異なる4つの組み合わせで販売される。最初から付いているアクティブバンドは、耐久性に優れて、スポーツシーンにも適したフルオロエラストマー製。S、Lの2サイズが同梱され、自分の手首に合うものを使える。なお、多彩な素材・デザインの別売バンドも用意される。
Pixel Watchは後発ながら、今スマートウォッチに求められる機能をもれなく揃えてきた印象。心拍数、血中酸素レベル、睡眠などをモニタリングでき、40種類以上のエクサイズモードを搭載。
Pixel WatchにインストールしたSuicaで決済をしたり、Googleマップを表示させて道案内に使ったりするデモンストレーションも披露された。
バッテリー持続は最大24時間。2週間以上のロングバッテリーを実現しているメーカーもあるので、さほど長くとは思えないが、Apple Watch(Series 8は最大18時間)を超えるスペックを実現している。なお、アメリカで発売されるモデルはECG(心電図)機能を備えているが、日本版では使えない。Googleによると「今後使えるように努力を続けていきたい」とのこと。
まだ発展途上の部分はあるものの、Googleの本気が感じられる発表会だった。