マイクロソフト「さらば、IE」のウラで…
あの「インターネットエクスプローラー(IE)」が、ついに幕を閉じる――。
マイクロソフト社が、6月16日(日本時間)からIEのサポートが終了した。
IEが「Windows 95」とともに提供開始されたのは1995年のこと。Windows95に乗ったインナーネットブームが巻き起こったが、当時は「ネットサーフィンするのはIE」で、「ブラウザといえばIE」だった。
あの熱狂から27年。あのIEが“幕を閉じる日”が来たことはひとつの時代の終わりを象徴しているのかもしれない。
そんなIEを提供してきたマイクロソフトもまた「ビル・ゲイツの会社」という印象を持っている人は多いだろうが、じつはいまや当時と比べて“まったく違った会社”へと変貌しているということをご存じだろうか。
たとえば直近のマイクロソフトの決算(2022年1-3月期)を見ると、売り上げの多くを占めるのは「クラウド事業」である。
クラウド市場はいまやマイクロソフトの稼ぎ頭になっていて、同社が提供する「Azure」は、Amazonが提供する「AWS」とともに世界マーケットを席巻している。
なによりすごいのがクラウド事業の利益率の高さで、それが牽引する形でGAFAの中でも高い利益率を誇る「超優良企業」になっているのだ。
20年前にマイクロソフト株を「100万円」買ったら…
さらに、マイクロソフトはいまやゲーム会社としても存在感をどんどん高めている。
2001年に発売された初代「Xbox」からハード部門で活躍していることは知っている人は多いだろうが、じつはソフトでも世界を席巻している。
2014年にはスウェーデンのゲーム開発会社「Mojang Studios」を買収したが、同社が開発しているのはゲームソフト「Minecraft」だ。いまや"誰もが知る”と言っても過言ではない超人気タイトルである。
そんなマイクロソフトは最近では大手ゲーム会社のアクティビジョン・ブリザードの買収を発表しており、さらに“ゲーム会社”としても躍進しようとしている。
そして2020年には英「ザ・エコノミスト」誌が選んだ「危機に強い大企業」で、米マイクロソフトが10位にランクイン。ちょうどビル・ゲイツは同じ年に、マイクロソフトの取締役を退任した。
Amazon、Googleなどばかりが注目されることは多いが、マイクロソフトは“ビル・ゲイツ”の会社から変化を続け、クラウドやゲームといったこれまでとは違った分野で大きく飛躍しているわけだ。
そんなマイクロソフトの株を、仮に今から20年前に「100万円」分購入していたら、どうなっていたのだろうか…? 詳細は『【マンガ】約20年前にマイクロソフト株を「100万円」買っていたら今いくら?』で分析しているのでご覧いただきたいが、為替レートを考慮に入れず計算すると、じつに約18.67倍、価格にして1867万円になっていることになる。その結果を見てもマイクロソフトの成長ぶりがよくわかる。
2022-06-17 19:00:06