NFT作家ビープルのTwitterが乗っ取り、43万ドルの詐欺被害

サイバー犯罪者が、NFTの有名アーティストのBeeple（ビープル）のツイッターアカウントを乗っ取り、フォロワーたちから43万8000ドル（約5600万円）相当の暗号通貨とNFTを奪う事件が発生した。犯人は、Beepleになりすまし偽のNFTのプロジェクトを宣伝していた。

ニュースサイトArtNetによると、ハッカーは5月22日に数時間にわたりBeepleのアカウントを乗っ取り、プロフィールページで彼とルイ・ヴィトンのコラボによる偽のNFTを宣伝し、フィッシング詐欺サイトに誘導したという。

犯人らはBeepleのアカウントから2つのツイートを行ったが、最初のツイートの詐欺リンクはフォロワーから約7万3000ドル相当のイーサを騙し取り、2番目のツイートは、36万5000ドル相当の暗号通貨とNFTを騙し取ったとされている。

これらの2つの詐欺リンクは、フォロワーたちがクリックすると、ウォレットから暗号通貨とNFTを盗み取る仕様になっていた。

Beepleは22日にアカウントの乗っ取り被害を受けたことを認め、ツイートで発信された内容が「許しがたい詐欺だ」と述べた。

犯人が誰なのか、この事件で警察が動いているかどうかは明らかになっていない。

暗号通貨とNFTの人気が高まるにつれ、この分野を狙う詐欺が多発し、Atlas VPNのレポートによると、2022年の最初の4カ月間だけで13億ドル以上の暗号通貨が盗まれていた。先月は、米国の内国歳入庁（IRS）を含む世界の税務規制当局が、NFTスペースでの詐欺とマネーロンダリングのリスクに警告を発していた。

NFTブームの火付け役として知られるBeepleの本名はマイケル・ウィンケルマン（Michael Winkelmann）で、彼の作品は昨年3月のオークションで6930万ドル（約75億円）で落札されていた。歌手のマドンナ（63）は、今月はじめにBeepleとのコラボで全身をスキャンした過激なNFTシリーズを発表し、物議を醸した。このシリーズのうちの1点は、美術商のアダム・リンデマンが約14万6000ドルで落札した。