「AirPods Proから大音量で警報が流れたことにより、12歳の少年が聴力を失った」として、Appleが訴訟を起こされたと報じられています。少年の両親はAppleと同時にAirPods Proの製造パートナーであるLuxshareも訴えており、「デバイスを適切に設計・テストしなかったこと、イヤホンが急激かつ予想外の音量上昇を起こすことをユーザーに警告しなかったこと、AirPods Proを適切に製造しなかったことは過失と詐欺に当たる」と主張しています。
(PDFファイル)訴状によると、2020年5月17日に少年が右耳にAirPods Proを装着しながら、Netflixの動画を低音量で視聴していたところ、突如「耳をつんざくような音量」で警報が流れたとのこと。この警報は「アンバーアラート」というもので、未成年の誘拐事件や行方不明事件が生じた際に発令される緊急事態宣言でした。
アンバーアラートの音量で、少年の右耳の鼓膜は破れ、聴覚器官の蝸牛が損傷し、少年は聴力を失ったとのこと。さらに半規管にも影響が出たために、少年はめまいや立ちくらみ、吐き気の発作に悩まされているとのこと。訴状には「少年は被告の欠陥AirPodsによって、右耳の永久的な難聴、痛み、苦しみ、人生の喜びの喪失を被った」と書かれており、少年の家族はAppleとLuxshareに対して損害賠償を求めています。
原告代理人を務める弁護士のTej Paranjpe氏は「AppleがAirPods Proの音量レベルに関する警告を行わなかったために、少年の人生は大きく変化し、永久的に難聴となりました。AppleがAirPodsを安全なレベルに調整するか、アラートに伴う音量増加に警告をしていれば、少年は普通の生活を送れていたことでしょう」とコメントしています。
なお、Apple関連のニュースサイトである9To5Macはこの訴訟についてAppleに問い合わせましたが、Appleからは返答がなく、公式声明も出していません。
2022-05-17 19:51:06