シアノバクテリア(藍藻:らんそう)が生成する電流だけを使用して、6カ月以上マイクロプロセッサを動作し続けることに成功したと研究者が発表しました。
ケンブリッジ大学のパブロ・ボンベリ氏らは「成長するモノのインターネット(IoT)はますます大量の電力を必要とするようになる」と考え、環境からエネルギーを吸収し、電力に変える方法を導き出そうとしました。そこで、環境中のメタンなどの物質をエネルギーに変換する「生きた」電源を作れば、より環境に優しくシンプルなものになるのではと考えたとのこと。
ボンベリ氏らが考案したシステムには、淡水環境に広く生息するシアノバクテリアの一種、シネコシスティスが使われました。シネコシスティスは1平方cm当たり4μW(マイクロワット)強の電力を発生させることができ、照明を消しても蓄えた食物を分解し続け、微量ながらマイクロプロセッサの動作に十分な量の電力を発生させたとのことです。
45分の動作と15分の停止を繰り返すように設計されたプロセッサは実験室の明るい光の中で6カ月以上動作し続けたため、ボンベリ氏らは「シアノバクテリアを使ったシンプルな電池でも、原始的なコンピューターを動かすのに十分な能力を持っている」と結論付けました。
ボンベリ氏は「数週間で止まると思っていましたが、長期間にわたって継続したことに驚きました」と述べています。
2022-05-16 07:43:41