更新やドライバのアップデートなどで、PCの動作が不安定になったときに役立つのが「Windows 回復環境」だ。自動的に起動する場合もあるが、手動で起動することもできる。また、USBの回復ドライブを使って起動することもできる。いざというときのために方法を確認しておくと安心だ。
回復環境で何ができるのか?
Windows 回復環境(Windows RE)は、Windows 11が起動できなくなったときなどに利用するトラブルシューティング用の環境だ。UEFI(BIOS)メニューの呼び出しやPCを初期化するときなどにも使えるが、以下のような機能を使ってWindows 11の修復を試みることができる。
スタートアップ修復
起動しなくなったWindowsのスタートアップ情報を自動的に修復することで起動を試みる。
スタートアップ設定
いわゆる「セーフモード」での起動を試みる機能。最低限のドライバーで起動し、原因となっているソフトウェアの削除などを試せる。
コマンドプロンプト
コマンドプロンプトを起動し、各種コマンドを実行できる。レジストリエディタを起動してレジストリを編集することなども可能。
更新プログラムのアンインストール
Windows Updateによる更新が起動を妨げている場合は、最後にインストールされた更新プログラムをアンインストールできる。UEFIファームウェアの設定
マザーボードのUEFIを呼び出せる。
システムの復元
システム保護機能を使って、更新やドライバーインストール時に作成された復元ポイントを使って、以前の状態にシステムを戻すことができる。イメージでシステムを回復(その他の修復オプション)
Windowsでバックアップを取得している場合は、イメージを使ってシステムを以前の状態に復元できる。
回復環境を起動するには
Windows 回復環境は大きく3つの方法で起動できる。
自動起動
もっとも一般的なのは自動的に起動する方法だ。以下のような場合、自動的にWindows 回復環境が起動する。
2回連続でWindowsの起動に失敗した場合
起動完了から2分以内に連続して2回予期しないシャットダウンが発生した場合
起動完了から2分以内に連続で2回システムが再起動した場合
セキュアブートエラーが発生した場合
つまり、Windows 11が起動しないというトラブルが発生した場合、根気よく(上記の通り連続2回失敗するまで)、起動を繰り返すことで自動的にWindows 回復環境が起動する。
Windowsからの起動
Windowsが短時間でも起動する環境の場合は、スタートメニューやログイン画面の電源ボタンから、[Shift]キーを押しながら[再起動]を選択することで、Windows 回復環境を起動できる。
特殊キーを使った起動
メーカー製のPCの場合、メーカーによって回復環境を起動する特殊キーが設定されている場合がある。キー割り当てはメーカーによって異なるが、[F11]や[F12]、またはキーボードの[サポート]などのボタンを利用する場合がある。
回復ドライブからの起動
いざというときに備えるなら、この方法がもっとも確実だが、あらかじめ準備が必要となる。「回復ドライブ」などのキーワードで[回復メディア作成ツール]を起動し、USBメモリを使って起動できるようにしておく。UEFI設定などでブートデバイスを選択して、このメディアから起動すれば同様にWindows 回復環境を利用できる。
BitLocker回復キーを忘れずに
なお、デバイスの暗号化やBitLockerによって、デバイスが暗号化されている場合は、Windows 回復環境の各種ツールを利用する場合に、BitLocker回復キーの入力が必須となる。以下の記事で紹介しているが、これがないと詰むので、忘れずに保管しておこう。
2022-05-15 07:54:58