香港のNFTプラットフォームの「Ucollex」は2月24日、シリーズAラウンドで1000万ドル(約11億5000万円)を調達したと発表した。
今回のラウンドは、同じく香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム開発会社の「アニモカブランズ(Animoca Brands)」と、日本のMCPアセット・マネジメント傘下のMCP IPX One Fundの共同出資によるもので、Ucollexの評価額は1億1000万ドル(約127億円)とされた。
ロバート・タンとレイモンド・ハンによって2020年に設立されたUcollexは、玩具やポップカルチャーのコレクターズアイテムのNFTを販売するマーケットプレイスで、今回の調達資金はチームの増強とプラットフォームの強化に充てる予定という。同社は今後、「バーチャル・アートワークバトル」などを通じて、新たなエクスペリエンスを提供していく。
CEOのTranは暗号通貨業界に参入する前に、香港の時計ブランド「Undone(アンダーン))と、ナスダックに上場しているマーケティングテクノロジー企業の「iClick Interactive Asia」を共同創業していた。一方でHungは、マイクロソフトの香港支社に10年以上勤務した後に、UndoneのCTOを務めていた。
Ucollexは昨年、世界最大級の暗号通貨取引所のバイナンスと英国のファッションブランドの「ジミー チュウ(Jimmy Choo)」と提携し、NFTコレクションをリリースしていた。
アニモカブランズの共同創業者で会長のヤット・シウ(Yat Siu)は声明で、同社のUcollexへの投資が、さまざまなIPのメタバースへの参加を促進することになると述べた。
Ucollexの新たな資金調達は、香港でのNFTの人気の高まりを反映している。香港では過去1年ほどの間に新たなNFTプロジェクトが次々と立ち上げられており、成功したプロジェクトとしては、麻雀などのアジアの要素を取り入れた3Dキノコのアバターが特徴の「Shrooms」が挙げられる。このプロジェクトは、1月の公開直後に3888点のNFTがすべてソールドアウトになっていた。
しかし、NFTの市場が拡大するにつれ、詐欺やハッキングの被害も相次いでいる。ツイッターで2万3000人以上のフォロワーを持つ香港のNFTプロジェクトの「モンキー・キングダム」は、ハッカーによって約130万ドル相当のソラナトークンを盗まれていた。