NECソリューションイノベータ株式会社は12日、北九州市と共同で、マイナンバーカードによって本人確認を行う図書館アプリの実証実験を開始すると発表した。対象施設は北九州学術研究都市内の図書室、実証期間は2022年1月~2022年3月(2022年4月以降も継続予定)で、一般利用者の利用開始は2022年2月下旬ごろを予定している。
新型コロナウイルス感染症の流行によって自治体業務のデジタル化が加速し、さまざまな手続きがデジタル化される中で、図書館においても非対面サービスの拡充が求められている。そうしたニーズに応えるサービスとしては、インターネット上で書籍の閲覧が可能な電子図書館サービスや、書籍の貸し出し予約を行うサービスがすでに存在するものの、図書館の利用者登録は窓口に出向く必要があり、登録から利用までの一連の手続きは、非対面では行えなかったとのこと。
そこでNECソリューションイノベータでは、これまでの図書館関連システムの提供実績を生かして、図書館サービスの利用者登録から利用までをスマートフォンで行える図書館アプリを新たに開発した。今回は、北九州市が推進する「書かない、待たない、行かなくていい」の行政サービスに向けた取り組みへの貢献として、北九州市と共同で、図書館アプリを用いた実証実験を開始する。
まず、マイナンバーカードに記録された電子証明書を活用する公的個人認証サービスにより、NFC対応のスマートフォンを用いて本人確認を実施する。これにより、利用者登録時における図書館職員の確認等が不要になるため、利用者は、図書館が閉館している夜間や年末年始等でも、時間や場所を気にすることなく利用者登録を行えるとした。なお、公的個人認証サービスを利用するにあたり、NECの「マイナンバーカード認証サービス」を活用している。
また、スマートフォンとこのアプリをデジタル利用者カードとして使用することから、図書館窓口で利用者カードを作成する必要がなく、カードの物理的な紛失リスクや、なりすましリスクの軽減につなげられるとのこと。
このほかアプリでは、オンライン蔵書目録(WebOPAC)に接続し、書籍やCD、DVD等の検索や貸し出し予約を行うことも可能。さらに、返却期限の到来や予約した書籍の準備状況等については、アプリからプッシュ通知する機能も備えており、図書館運営の省力化につながるとしている。
なおNECソリューションイノベータでは、2022年の事業化を目指して開発を進めていく考えだ。