スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)市場で高いシェアを誇るMediaTekが新しいSoCを発表しました。「Kompanio 900T」と名付けられたこのチップは5G通信に対応し、AndroidタブレットやChromebookをターゲットとしたSoCです。
Kompanio 1300Tの廉価版
このKompanio 900TはMediaTekのタブレット向けのフラッグシップSoCであるKompanio 1300Tの廉価版に位置づけられています。
廉価版といっても、6nmプロセスで製造される点は共通です。
主な違いとしては、Kompanio 1300TはCPUコアにArm Cortex-A78 x 4 + Cortex-A55 x 4を搭載しているのに対し、Kompanio 900TはCortex-A78 x2 + Cortex-A55 x 6となっている点が挙げられます。
また、Kompanio 1300TはGPUにArm Mali-G77 MC9を搭載していますが、Kompanio 900TはMali-G68です。
Kompanio 900Tは、Kompanio 1300Tと同じく、5G通信に対応しています。
Kompanio 900T搭載デバイスは近日中に発売予定
MediaTekによると、Kompanio 900Tを搭載したデバイスは近日中に発売予定とのことです。
Kompanioシリーズは、Kompanio 500(MT8183)が多くのChromebookに搭載されており、Kompanio 900TもAndroidタブレットだけでなくChromebookにも広く用いられると考えられます。
また、NVIDIAがKompanio 1200と同社のGPUを組み合わせて本格的な3Dゲームをおこなうデモを発表しており、そちらの分野でも活躍するかもしれません。
MediaTekは2021年第2四半期(4月~6月)にスマートフォン向けSoC市場で43%のシェアを獲得するなど、非常に勢いがある半導体メーカーです。
2021-09-09 19:06:55