ソフト正式版リリース前にやってくるベータ版。いろんな人に使ってもらって、意見を募るという大切な役割をもつベータ版。AppleのiOS 15のメインアップデートの1つにブラウザSafariの新デザインがあります。が、これがどうにも微妙でして。ハッキリいっちゃうと不評でして…。iOS 15のベータ版へ寄せられたフィードバックを元に、Appleは、Safariを前のデザインに戻せるというオプションをiOS 15に追加しました。
iOS 15で大きく変ったSafariデザイン。個人的にはアドレスバーが画面下にあるのがどうにも慣れません。長年の習性からとても違和感を覚えてしまいます。しかも、ただ下にあるだけでなく行ったり来たりするので、慣れようと思ってもイライラしちゃうんですよね。これ、もちろん私だけでなく多くの人が感じており、かなりの不評。さらに、ブラウザのメイン機能のいくつか(例えばリロードなど)が隠し表示になっているのもいまいち。Apple最大のデザインミスといっても過言ではないほど、使い勝手が悪い、直感的ではないと思います。
ネタ元のIndependentによれば、ユーザーからのフィードバックを受け、Appleもあれこれ模索しているようです。とりあえず、検索バーを画面下の固定表示にするというアプデがはいったものの、まだまだ十分とは言えず。最新版のアプデでは「シングルタブモード」が追加。Independent曰く、これはSafariのデザインを前のバージョンに戻す機能。新デザインor旧デザインの選択肢があれば、OS自体はアップデートしやすくなりますね。
フィードバックで正式リリース前に修正いれてこそのベータ版ではあるのですが、Appleにしては少々珍しい対応かも。過去にAppleがイヤフォンジャックを廃止し大ブーイングを受けたとき、AppleのPhil Schiller氏は、前に進む理由を一言で「度胸である」と語ったことがあります。批判・クレームなんのその、度胸で前に進んでみせるのがApple節なのでしょう。一方で、長年(5年くらい?)不評で批判され続けた結果、Appleはバタフライキーボードからシザーキーボードに戻ってたという歴史もあります。どちらにせよ、たとえ批判されてもこれが正義であると(少なくとも一定期間は)進むのがAppleだとしたら、今回のUIを2パターン用意するのはレア。Appleらしくない弱腰対応とも言えますね。
iOS 15正式リリースは9月を予定。カスタマイズというにはあまりにも大きな違いだと思うので、正式リリースの時に果たしてどうなっているのか…。