一部のバージョンのiOSに搭載された天気アプリに、華氏69度(摂氏20度)と表示されない不具合があることが分かりました。Appleの元開発者は、「iPhoneでは摂氏での温度データを使用しており、その温度を華氏に変換する際に端数が丸められた結果、華氏69度が飛ばされてしまうのではないか」と推測しています。
IT系ニュースサイトのThe Vergeが2021年7月13日に、iOS 14.6とそれ以前のバージョンの天気アプリで、華氏表記にした際の気温が68度の次は70度になってしまい、69度と表記されない問題が見つかったと報じました。以下がその問題を示す画像で、iOS 15のiPhone(左)では69度と表記されているのに対し、iOS 14.6(右)では同じ場所の気温が70度になってしまっています。
どのバージョンでこの不具合が発生するのか、正確には分かっていませんが、iOS 11.2.1ではこの不具合が見られなかったことが分かっています。また、天気アプリをウィジェットとしてホーム画面に設置した場合や、Appleが2020年に買収したDark Skyのアプリなどでは、問題なく69度と表示されるとのことです。
Appleの元開発者であるJoão Pavão氏は、「天気アプリは内部的に摂氏の温度データを整数で扱っていて、華氏を表示する場合は摂氏から華氏に変換してから端数を丸めているのではないでしょうか。この場合、一部の温度は絶対に表示されなくなります」とTwitterに投稿しました。例えば、摂氏20度は華氏68度となり、摂氏21度は華氏69.8度になって70度へと切り上げられるため、69度が飛ばされてしまうというのが、Pavão氏の見立てです。
The Vergeは、「この不具合がバグなのか、それとも69という数字にまつわるネットミームをなくすための意図的な動作なのかは分かりません」とコメント。一方、Apple製品専門のニュースサイト・9to5Macは「ウィジェットには69度と表示されるので、おそらく意図的なものではなくバグでしょう」と述べました。