「iOS 15」のパブリックベータ版が公開され、誰でも試せるようになりました。2015年9月に発売されたiPhone 6s/6s Plus以降のiOS 14を搭載するすべての端末がアップデート可能なのですが、これらのiPhoneでiOS 15の機能をすべて利用できるわけではありません。
これはiPhoneにどれだけの性能があるかによります。iOS 15の一部の機能を利用するには、2018年に発売されたiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRに搭載されたA12 Bionicか、それ以上のパワーが必要なのです。A12 BionicではA11 Bionicから性能が向上しているだけでなく、AI(人工知能)処理のためのNeural Engineも改善されました。
またA12 Bionicプロセッサとは関係なく、新モデルでのみ使える機能もいくつかあります。2018年以降のiPhone以外で使えない機能は、以下の通りです。
FaceTimeの拡張
ポートレートモード:iOS 15にてFaceTimeはよりスマートになりました。カメラアプリのポートレートモードと同じように、参加者の背景をぼかすことができます。ただしこの機能が利用できるのは、最新のiPhoneだけです。
空間オーディオ:古いiPhoneでは、人の声がさまざまな方向から聞こえる空間オーディオが利用できません。この機能についてApple(アップル)は、 「対面しているのと同じくらいスムーズに会話ができます」と述べています。
マップアプリの新機能
AR(拡張現実)による徒歩ルート案内:古いiPhoneを使っている人は、ARビューを使った徒歩ルート案内が利用できません。この機能はGoogle マップからヒントを得てiOS 15に導入されたものです。
インタラクティブな地球儀:マップアプリはより詳細かつ没入体験ができるようになりました。これには山や森などの3D表示による地球儀ビューが含まれ、A12 Bionicプロセッサ以降を搭載したiPhoneで利用できます。
詳細な都市体験:マップアプリではサンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンなどの都市で道路、樹木、ランドマーク、建物などがより詳細に表示されます。これらすべての拡張機能を体験するには、新しいiPhoneが必要です。
デジタルキー
車のロック解除やホテルの部屋への入室など、iOS 15で利用できる高度なデジタルキーシステム。この機能はiPhone XS以降のハードウェアが必要なため、古いデバイスは利用できません。
カメラの新機能
ライブテキストとビジュアルルックアップ:iOS 15では、さまざまなアプリのテキストを認識して処理できます。たとえば撮影した犬の種類も教えてくれる…のですが、この機能の利用にはA12 Bionicプロセッサかそれ以降が必要です。
QuickTakeビデオのズームイン:カメラアプリの写真モードでシャッターボタンを長押しすると、QuickTakeビデオが撮影できます。iOS 15では上または下にスワイプすることで、これらのビデオの再生中にズームインまたはズームアウトできますが、この操作には新しいiPhoneが必要です。
改善された高速なSiri
Siriによるデバイス上での処理:iOS 15ではSiriがより多くのアクションを処理し、その速度やプライバシーも改善されました。しかしA12 Bionicかそれ以降でなければ、Siriのリクエストはアップルのサーバーに送られて処理されます。
Siriのデバイス上でのパーソナライズ:A12 Bionicやそれ以降のプロセッサでない場合、Siriが特定のパーソナライズを計算し、スマートフォンに保存することができません。このパーソナライズには、新しい単語やトピックが含まれます。
Siriのオフラインサポート:iOS 15では、オンラインでなくてもSiriからアラームの設定、アプリの起動、音量の調整などができるようになりました。ただし、これも2018年以前に発売されたiPhoneでは利用できません。
デバイス上でのディクテーション:上記のSiriの新機能と同様、古いiPhoneではiOS 15にて追加されたデバイス上でディクテーション(書き起こし)が処理できません。代わりにデータはクラウドに送られるので、プライバシー保護は低下し処理に時間がかかります。
ドラマティックな天気表示
iOS 15の「天気」 アプリでは、気象状況をコンピュータグラフィックスで表現するスタイリッシュなアニメーション背景が導入されました。しかし、これも古いiPhoneでは表示できません。
空間オーディオのアップグレード
AirPods ProやAirPods Max、そしてiOS 15とDolby Atmos対応楽曲があれば、空間オーディオ機能のダイナミックヘッドトラッキング機能が利用できます。しかし、これを利用するにはiPhone 7以降が必要です。
先進のヘルストラッキング機能
iOS 15では、あなたの歩行がどれくらい安定しているかを監視するカスタムアルゴリズムが導入されています。この「Walking Steadiness」機能を利用するには、iPhone 8以降が必要です。