スマートウォッチ向けOSのWear OSやカーナビアプリAndroid Autoを促進するため、Googleが新たにAndroidアプリとWear OSなどを統合した場合にはアプリストア手数料を30%から15%に引き下げるという開発者向けプログラム「Play Media Experience Program」を開始しました。
AndroidのGoogle Play並びにiOSのApp Storeはともに販売手数料を30%と定めており、この手数料については「高すぎる」という声が開発者から上がっています。こうした声を受けてGoogleは2021年3月に「年間収益のうち100万ドル(約1億1000万円)未満の部分に対して課す手数料を15%にする」という戦略を発表していました。
以上の戦略はアプリストアの99%を占めるという売上が100万ドルに届かないアプリが主な対象でした。一方、今回新たに発表された「Play Media Experience Program」は主に売上が100万ドルを超えるような人気アプリが対象で、資格要件には「Google Playで毎月10万件以上のアプリインストールがある」などの条項が定められています。具体的な資格要件が以下。
・有料のビデオ、オーディオ、または書籍コンテンツの提供を主としている
・「Google Playで毎月10万件以上のアプリインストールがある
・高品質のユーザーエクスペリエンスを提供し、Google Playの評価も高い
・開発者アカウントが良好な状態にある
・メディアコンテンツの種類に応じて、特定のGoogleプラットフォームやAPIを統合している
さらに、「ビデオアプリ」「オーディオアプリ」「書籍アプリ」などのカテゴリごとに、それぞれ別個の要件が追加されます。
◆ビデオアプリ
コンテンツ:映画、テレビ番組、スポーツ中継、ニュース中継など、主にリビングルーム向けのビデオ番組の提供。
必要統合機能:Android TV、Google TV、Castプラットフォームとのクロスデバイス再生およびサインインの統合。
ユーザーメリット:コンテンツを簡単に見つけられるスマートレコメンデーション、サインアップとサインインの容易化、ディスカバリーの強化。
◆オーディオアプリ
コンテンツ:定額制のプレミアム音楽・オーディオコンテンツの提供。
プラットフォームの統合:WearOS、Android Auto、AndroidTV、およびGoogle Castのプラットフォームの統合。
ユーザーメリット:デバイス間でのコンテンツディスカバリーと継続的な視聴。
◆書籍アプリ
コンテンツ:プレミアムブック、オーディオブック、コミックの提供。
プラットフォームの統合:タブレットと折りたたみ式スマートフォンへの最適化、Entertainment Space。オーディオブックアプリ用のWearOSおよびAndroid Autoの統合。
ユーザーメリット:読書体験の向上、Entertainment Spaceでのコンテンツ発見と再エンゲージメントの向上。
以上の要件を満たすアプリ開発者は、以下のフォーラムから手数料の引き下げを申請できます。