TikTok(ティックトック)の中国での最大のライバルであるKuaishou(クアイショウ、快手)にとって、現地時間6月23日は特別な日となった。海外では動画アプリ「Kwai」で知られる中国のショートビデオ企業は、月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したと発表した。
それはどのくらいの規模なのか?FacebookのMAUは2021年3月時点で28.5億人だった。TikTokは2021年中に12億MAUを超えると予測されており、その中国版Douyin(抖音)は2020年9月にすでに6億人のデイリーユーザー(DAU)を獲得したと発表している。つまり、Kuaishouにはまだ追いつく余地があるということだ。
中国はKuaishouの主要な市場であり続ける。同社の海外のMAUは第1四半期に1億人を突破し、その間に「南米や東南アジアでの戦略を進めた」ことで、2021年4月には1億5000万人にまで急増したと、同社は決算説明会で述べている。
香港に上場しているKuaishouの株価は、6月23日に6%以上も上昇して1株あたり200香港ドル(約2860円)近くになり、時価総額は約8300億香港ドル(約11兆8640億円)に達したが、それでも2021年2月のピーク時の415香港ドル(約5930円)を大きく下回っている。
Kuaishouの世界進出は、海外市場で躍進している中国のインターネット企業はByteDance(バイトダンス)だけではないことを思い出させてくれる。中国のJoyy(ジョイ)が所有するBigoはインドで非常に人気のあるライブビデオアプリだったが、現地政府によって禁止されてしまった。
Kuaishouの創業者兼CEOのSu Hua(宿华)氏は23日の記者会見で「Kuaishouは2011年からパイオニアとして、世界中のインターネットユーザーに自分のライフストーリーを記録し、共有する機会を提供してきました」と述べるとともに、同アプリが東京2020オリンピックの公式放映権を獲得したことを発表した。