人気ゲーム「フォートナイト」やゲームエンジン「Unreal Engine」などを開発するEpic Gamesが、開発者向けに「ゲームに実装できるボイスチャット」と「アンチチートサービス」を無料で提供することを発表しました。2つのサービスは、Windows、Mac、Linux、PlayStation、Xbox、Nintendo Switch、iOS、Androidに対応した開発ツール「Epic Online Services」の一部として提供されます。
Unreal Engineを使用して開発中のゲーム内に、クロスプラットフォームでのボイスチャットを搭載できる音声コミュニケーションサービスが「Voice」です。Voiceはリリースに先立って、PC・PlayStation・Xbox・Nintendo Switch・iOS・Androidと複数のプラットフォームでプレイが可能な「フォートナイト」に試験的に組み込まれているとのこと。異なるプラットフォーム間でも、高品質で安定したボイスチャットが可能になっています。
Voiceによるボイスチャットは、開発ツールキット「Epic Online Services」のバックエンドサーバーを介して行われ、Voice用のサーバーのスケーリング、品質維持やメンテナンス、マルチリージョン対応などの処理はすべてEpic Games側が行うとのこと。
Voiceがどういうツールなのかについては、以下のムービーでも説明されています。
Epic Online Services 'Voice' | Free Voice Chat | Unreal Engine - YouTube
また、Epic Gamesはチート対策ツールである「Easy Anti-Cheat」の提供も発表しました。Easy Anti-Cheatも異なるプラットフォーム間でマルチプレイが可能なゲームで動作し、チートツールの使用を検知することが可能。Epic Gamesは「Easy Anti-Cheatはピーク時で数百万人のユーザーを同時に処理できます」とアピールしています。
また、Epic Online ServicesのPlayer sanctions やPlayer reportsとシームレスに統合されており、チートツールの進化に合わせて継続的に更新されるのも特徴の1つです。
Epic Gamesによる、Easy Anti-Cheatを説明するアニメーションが以下のムービー。
Epic Gamesは「人気のあるオンラインゲームで音声通信を操作したり、不正行為を防止したりするには、何億円もかかることがあります。Epic Gamesはこれらのオンラインサービスをすべての人に無料で提供することで、より多くの開発者がクロスプラットフォームのゲームを構築し、プレイヤーコミュニティを結びつけ、ゲーム業界を成長させ、メタバースのビジョンを実現することを目指しています」とコメントしています。