Samsung Electronicsは6月9日、8nmプロセスに基づく5G通信向け無線周波数(RF)技術(8nm RF)を開発し、同社のファウンドリサービスを活用するクライアント企業に提供を開始したことを発表した。
SamsungがDDR5モジュールに向けた新たな電源管理チップを発売
同技術を活用したマルチチャネルおよびマルチアンテナチップ設計をサポートする5G通信専用の1チップソリューションが提供されることになるという。
Samsungは従来の28nmならびに14nm RFプロセスを8nm RFプラットフォームへと拡張することで、5G半導体市場において、技術サポート領域を6GHzからmm波へと拡大することができるようになるとしている。
デジタル回路はプロセスの微細化により、性能、消費電力、面積(PPA)の改善がなされてきたが、アナログ/RFブロックは、狭いライン幅による抵抗の増加などの寄生効果によって、デジタルのような改善を見込みづらいという課題があった。そのため、単純にプロセスを微細化しただけであれば、受信周波数の増幅性能の低下や消費電力の増加など、RF特性の低下を引き起こしかねないという問題があり、今回同社はそうした問題を解決することを目的に「RFextremeFET(RFeFET)」という8nm RF専用アーキテクチャを開発することで、消費電力を抑えながらRF特性を向上させることを可能にしたという。これにより、14nm RFと比較して、デジタルPPAスケーリングとアナログ/RFスケーリングを同時に実現できるようになり、高性能5Gプラットフォームの提供が可能になったとしている。
そのため14nm RFと比較して、8nm RFプロセスを用いると、RFeFETアーキテクチャにより、RFチップ領域が35%減少され、電力効率も最大35%向上できるようになるという。