Google検索はインターネット上のさまざまな情報を手に入れる上で便利ですが、中には特定の個人を誹謗(ひぼう)中傷したり、個人情報をさらしたりするウェブサイトが表示されることもあります。そんな個人を中傷するウェブサイトに対抗するため、中傷的なウェブサイトで検索結果画面が埋まらないようにGoogleが検索アルゴリズムを変更しました。
インターネットに存在する情報は必ずしも正しくて有益なものばかりではなく、特定の個人に関する根拠のない誹謗中傷や個人情報を掲載するウェブサイトも存在します。ニューヨーク・タイムズによると、これらの中傷的な内容を掲載するウェブサイトの中には「個人情報や中傷を削除する代わりに料金を請求する」ビジネスを行うものも存在し、1つの記事を削除するのに数百~数千ドル(数万~数十万円)の料金がかかるケースもあるそうです。
中傷ビジネスを展開するウェブサイトは1つだけではなく、あるウェブサイトに掲載された内容が別のサイトに転載され、中傷的な記事が増殖してしまうケースもあるとニューヨーク・タイムズは指摘しています。特に名前で検索しても大した情報がヒットしない一般人の場合、もし複数のサイトで中傷記事を掲載されてしまえば、検索結果画面が中傷的な記事で埋まってしまいます。
Googleはニューヨーク・タイムズがオンラインの中傷ビジネスについて報じたことを受けて、繰り返される嫌がらせに直面する個人を保護するアプローチを導入することを発表しました。新たなアプローチでは、既存のプロセスを通じて本人から中傷的な記事を削除するように申し立てがあった場合、その人物を「既知の被害者」に分類して、他の類似した低品質な記事が検索結果に表示されないようにするとのこと。類似した記事の表示を抑制することにより、名前の検索結果画面が中傷的な記事で埋まってしまうことを防ぐことができます。
実際に、ニューヨーク・タイムズがかつて誹謗中傷サイトに記事が掲載された人々の名前でGoogle検索し、過去の検索結果画面と比較してみたところ、すでに検索結果に表示される中傷的な記事が減っているか消えていることが確認されたとのこと。一方、新たに作られた中傷サイトの投稿は掲載されていたとのことで、被害者からの苦情が少ないサイトについてはアルゴリズムに反映されていない可能性があるそうです。
Googleの検索担当ヴァイス・プレジデントであるPandu Nayak氏は、「長年にわたって検索の構築に対する私たちのアプローチは一環しています。私たちは高品質の結果を提供するのに最適な仕事をしないクエリを取り上げ、アルゴリズムを改善する方法を探しています」「検索は決して解決された問題ではなく、ウェブや世界が変化するにつれて常に新しい課題に直面しています。私たちはフィード爆に耳を傾け、検索結果の品質を向上させる方法を探しています」と述べました。