なぜか10年以上前のアップル社内メールが公開され、MacタブレットやMacBook Airの15インチモデル、iPod「Super nano」の開発や発売が検討されていたことが明らかとなりました。
これらのメールは、Twitterアカウント「Internal Tech Emails」が公開したものです。もともとはアップルとEpic GamesとのApp Storeでの30%手数料をめぐる訴訟にて証拠として提出された資料の一部であり、誰もが閲覧可能となっていたところから発掘されました。
ちなみに本訴訟では双方の言い分を裏付けるために大量の内部資料が提出されており、そこからソニーがPS4でのクロスプレイに金銭要求していたことや、アップルとFacebookの関係が初代iPadアプリのリリース当時から険悪だったこと、アップルがNetflixにアプリ内購入を続けるよう懇願していたことなど、訴訟に直接関係ない企業にまで流れ弾が飛んでいました。
さて今回のメールの日付は2007年の8月5日で、初代iPhoneの発売からわずか2ヶ月後のもの。共同創業者で元CEOのスティーブ・ジョブズにより送信され、アップルの経営陣会議の議題を記載されています。この中に、未発売に終わった数多くのアップル製品が言及されていたというわけです。
その1つが、2008年に発売予定だった15インチの「MacBook Air」です。実際に2008年に発売された初代MacBook Air(ジョブズが封筒から取り出すプレゼンをした)は13インチで、2010年には11インチモデルが追加されたものの、これまで15インチ画面はMacBook ProモデルだけでAirには投入されていません。もっとも、もっかアップルはAppleシリコン搭載の15インチモデルも検討中だと噂されています。
次に目を惹くのが、Macタブレットへの言及でしょう。それ以上の詳しい説明はありませんが、おそらく2010年に発売されたiPadの前段階に当たるコンセプトだったのかもしれません。ともあれ、最近では「iPadとMacは融合させない」と繰り返しているアップルが、タブレット型Macを検討していたことは注目に値すると言えます。
また、2008年発売予定と思しきiPod「Super nano」(価格は199ドル)なる未発表製品もあり。この価格は本メールの送信から1ヶ月後に発売された第3世代iPod nanoの4GBモデルよりも50ドル高い設定です。これら2つは異なるデバイスのようにも見えますが、もしかすると「Super nano」の製品名や価格を変更した可能性もあります。
アップル対Epic訴訟では、元アップル幹部のスコット・フォーストールが証言し、ジョブズがApp Store開設に大反対していたことなどが明るみにされていました。本訴訟に提出された資料は莫大にあるため、今後まだまだ未知のジョブズの考えていたことや言葉(毒舌を含む)などが発掘されるのかもしれません。