人感センサ+顔認証で座ったら即ロック解除が超絶楽
VAIO Zが届いてそろそろ2ヵ月が経とうとしている。ようやく自分なりの環境を構築し始めた。コロナ禍でなかなか外出する機会がなく、自宅では自作PCで作業することが多く、放置しがち。宝の持ち腐れもいいところだが、5月に入って持ち歩く機会が増え、それに合わせて環境構築することにした。
まずは指紋認証。これまでは顔認証だけ設定していたが、やはりマスク姿だと認証されにくいため、指紋認証をセットしておくとかなり快適になる。VAIO Zは電源ボタンに指紋センサーを内蔵したことで、電源ボタンを押すと同時にWindows Helloによるサインインもパスしてくれるので、起動の手間がなく非常にスムースだ。離席時に自動で画面ロックがかかり、マスクをしていなければ顔を見せるだけでロック解除される。指紋認証と顔認証はダブルで設定しておくのが効率的だ。
指紋認証でWindows 10にサインインするには、「VAIOの設定」アプリで「指紋センサーの動作設定」をオンにしておく必要がある。あらかじめWindows Helloに指紋を登録しておこう。
さらに、VAIO Zには人感センサーも搭載されている。これを顔認証と合わせて有効にすると、VAIO Zの前に座るだけで画面ロック/スリープ状態から自動で復帰し、マシンに手を触れずにロック解除までしてくれる。反応も早く、スリープ状態からの復帰はわずか数秒だ。逆に離席時には自動でロックがかかるので、覗き見防止になる。
人感センサーの設定も「VAIOの設定」アプリで行なう。人感センサーを使った動作は「離席時」「着席時」「在席中」の3つあり、それぞれ設定が必要。筆者は「着席時」「在籍中」をオンにして、座るとスリープから復帰・サインインするようになり、座っている間はスクリーンオフやスリープに入らないようにした
離席してロック、着席から復帰までの流れで煩わしい操作は必要なく、VAIO Zを見えない手で操っている感じがある。使っていて非常に気持ちいい。「人感センサーを常時オンにすると、バッテリー消費が多くなるのではないか」と気になる人がいるかもしれないが、実は設定をオフにしていても人感センサー自体は動作しているので、バッテリー消費に差は出ない。使わないほうがもったいないのだ。
この辺りの快適さは、これまで使ってきた「VAIO S11」とは大きく異なる点だ。ちょっとした改善に思う人が多いかもしれないが、セキュリティやプライバシー意識が求められる昨今、意識せず需要なデータを守れる。外出先での利用や仕事中に離席する頻度が多い人にとっては、かなりのストレス軽減になるはずだ。
キーボードの静粛性はハイブリッドワークによって重要な要素に
あとは、Microsoft 365をはじめ、Google日本語入力やChromeといった、原稿執筆に必要不可欠なアプリケーションをインストール。あと、ソニーのカメラを操作できる「Imaging Edge Desktop」も導入した。このアプリを使えば、手持ちのα7R IV撮影した写真をWi-Fiで飛ばしてダイレクトで見られるようになる。すぐにチェックできるので超便利だ。ディスプレーを4Kにしたこともあり、VAIO S11のときよりも断然見やすく使い勝手がよくなった。
「Imaging Edge Desktop」の「Remote」アプリ。PCからカメラの制御が可能
「Imaging Edge Desktop」の「Viewer」アプリ。撮影した写真をPCへ自動転送し閲覧できる。大画面でチェックできるので便利
キーボードも改良された点も見逃せない。ストロークがより深くなり、キートップの形状もより指にフィットするよう工夫するなど、従来もタイピングしやすいキーボードと言われていたが、さらに上質になったと言える。静音性が高いのがポイントで、筆者は最近オンラインで取材や打ち合わせがほとんどなため、パソコンでメモしているが、タイピング音が大きいと、マイクから拾ってしまい、相手の発言を邪魔してしまいがち。録画してあとから文字起こしする際も、タイピング音に邪魔されて聞き取れないこともあるぐらいだ。
VAIO Zなら、タイピングしていてもそれほど気になる音を発しないため、かなりありがたい。静音性についてはVAIO S11と比べてもより静かな印象だ。ハイブリッドワーク時代、これまで以上にそういった面も考慮する必要があるので、VAIO Zが選ばれる理由の1つとなるはずだ。
キーボードは、強く叩かない限り非常に静か。パームレストの感触もカーボンファイバーのほうがいい。指紋もつきにくく、非常に扱いやすく感じる
CPUの発熱にどう挑むか、気になるファン音は?
VAIO Zの特徴は、薄軽筐体ながら高性能なCPU(H35シリーズ)を搭載した点だ。
ここでやはり気になるのがファン音と発熱だろう。VAIO S11に比べれば、さすがに負荷がかかったときファン音は気になる。特に最初に起動してからしばらくは、システムが更新されたり、内部ファイルをクロールしたりするためか、ファンが高速回転しだすことがある。アップデートを一通り実行し、しばらくすればファンも止まって静かになる。なので、購入直後はしばらく我慢が必要だ。
実は前回計測したとき伸び悩んでいると感じていたが、今回計測してみると6310と6000を軽く超え、Core i7-7700K相当の値を示していた
ファンを1つしか搭載していないVAIO S11とファンを2つ搭載しているVAIO Zの違いは大きい。UシリーズとH35シリーズでは発熱量も大きく違うので、負荷がかかれば自ずと熱が発生し、ファン音が大きくなるのはしかたがないことだ。
実際にどの程度の大きさなのかを計測してみた。ディスプレーから30cm程度離れた場所に測定器を置いて、「Chinebench R23」を走らせて負荷のかかった状態の音を測ってみた。位置はちょうどマシンの正面に座ったときに頭が来る位置あたりである。
デスクに向かって作業しているときに感じる騒音を測定。暗騒音は37.2dBA程度だ。
結果は52.1dBAほど。電源に接続し、パフォーマンス優先のためフルパワーで動かせば、この辺りまで達するため少々うるさく感じるかもしれない。ただ、モバイルワークの場合、バッテリー駆動のため電源の設定は標準になるため、「Chinebench R23」を走らせてもフルパワーでは動作しない。結果、騒音も43.2dBAとかなり抑えられる。この辺りだと、それほど気にならないレベルだ。また、ストリーミング動画を流して放置したところ、15分経ってもファンは駆動しなかったので、軽負荷の作業ならファン音を気にすることもない。
発熱についても、測定器で計測してみた。先程と同様に電源に接続してパフォーマンス優先にし、Chinebench R23を走らせ、さまざまな箇所を測定してみた。キーボード周りで一番高音になったのがF6キーの辺り。その温度は45.6度(室温は25.8度)。ホームポジションとなるJキーとFキー辺りは35~36度ぐらい、パームレスト部分は室温と同じ25.8度なので、タイピング時はさほど気にならないが、キーボード上部は意外と温度が上昇しているので、多少温かく感じてくる。
また、底面も調べてみたが、排気口付近ではなく、CPUがある付近の発熱がもっとも高く46.2度。膝の上に載せて作業する場合は、温かく感じる温度だ。先述の通り、発熱量が高いCPUを使っているので、ある程度はしかたがない。むしろ、この薄型筐体で、これだけの発熱量を受け止めて、冷却できる点がスゴい。冷却能力が高いからこそ、この程度の上昇で収まっているとも言える。他メーカーでは、消費電力や発熱が低い、Uシリーズのプロセッサーでもこの程度まで温度が上昇することはよくある。一部、温度が高くなる個所があるにしても、最小限に抑え、極力タイピング時の妨げにならない位置になるよう配慮されているところがVAIOらしいところだ。
早急にSIMを購入してモバイル通信をできるようにしないと
先日、取材のためVAIO S11のころから使っていたバッグに入れてみたが、ピッタリ収まった。VAIO S11に比べると14インチサイズのVAIO Zはふた回りほど大きいが、収納可能なサイズだったようだ。重量的にも大きく変わらい。むしろバッテリー駆動で十分長く使えるので、ACアダプターを持ち歩かずにすむため、全体では軽くなった。
小さめのバックパックにも、スッポリ入ってくれたので助かる。筆者がVAIO S11という小さいサイズを購入していたのも、こうした持ち運び時に必要以上のサイズのバッグが必要になるのを嫌ったためだ。
こうしたモバイルワークで利用するために、せっかく5Gモジュールを搭載したものの、まだSIMを挿していない。いまのところWi-Fiが利用できる場所での作業が中心であるため、問題はないが、外出する機会が今後増えてきそうなので、早急にSIMを購入してモバイル通信を活用できる状態にしたいところ。