Gizchinaが、米国での5Gの普及が想定よりも遅れているとし、その理由を3つあげています。
5G通信で用いる周波数が不足している
Evercore ISIのアナリスト、ジェームズ・ラトクリフ氏は「米国では2021年末から2023年末にかけて、5Gの人口カバー率3分の2に達する」と予想していますが、それでも想定より展開が遅いと述べています。
その理由の1つには、5Gミリ波通信で使用する周波数の帯域不足があるようです。米国では該当する周波数帯が主に軍事目的や気象関連など公的機関で使用されており、キャリアが利用できる周波数が限られているようです。
米国政府もこの点を認識していることから、今秋には空き周波数のオークションが開かれる予定です。
5Gを活かすサービスやアプリがない
通信業界の調査会社であるMoffett Nathanson社のクレイグ・モフェット氏は、5Gの高速通信を活かすアプリやサービスがないことを普及が進まない理由にあげました。
モフェット氏は、キャリアが企業向けに5Gを通じたプライベートネットワークサービスを提供すれば利用が進む可能性があるとしています。
ただし、それができない場合は企業が独自にプライベート5Gネットワークを構築する可能性があり、その場合はキャリアにとって新たな収益モデルにはならないと指摘しています。
設備調達が困難
更に、5Gの基地局関連機器を製造しているのがNokia、Ericsson、Samsung、 ZTE、Huaweiと、全て米国外の企業で占められていることがネットワークを整備する際の妨げにもなっているようです。
それに加え、これらの機器においても半導体不足の影響を受けていると、Gizchinaが指摘しています。