現在のところiPhone 12 Pro Maxのみに限定されているセンサーシフト式OIS(光学式手ブレ補正機能)が、2021年のiPhone 13(仮)では全モデルに搭載されるとの噂が伝えられています。
今回のうわさの発信源は、台湾のサプライチェーン情報に詳しい業界情報誌DigiTimesです。かつてDigiTimesはセンサーシフト式OISがiPhone 13全モデルに搭載されると報じながら、一度はProモデル2つに限られると絞り込み、最新記事では再び「全モデル」説に揺れ戻したかっこうです。
手ぶれ補正技術には何種類かあるなか、現在の主流はレンズを動かす「レンズシフト」式とセンサー側を動かす「センサーシフト」式の2つです。どちらも手ぶれの原因である「撮影開始時に撮影素子に届いた光の位置と、撮影終了までに撮影素子に届いた光の位置のズレ」を解消するものです。
センサーはレンズよりも軽いためレスポンスが向上する一方で、より高度な制御技術が求められます。アップルもiPhone 12 Pro Max発表の際、センサーシフト式は従来のレンズシフト式よりも優位にあると強調していました。公式サイトでも「これまでデジタル一眼レフカメラだけのもの」であり、「iPhoneに応用したのは初めて」だと述べています。
そのセンサーシフト式OISに必要なボイスコイルメーター(VCM)は、2021年上半期にはAndroid端末向けの出荷が主流だったものの、下半期にはiPhone向けの出荷が追い越す(全モデルに搭載されるため)と予想されるとのこと。そのためメーカーには生産能力を30~40%引き上げるよう指示されているという、関係者の具体性ある証言も伝えられています。
すでにiPhone 13シリーズの予想レンダリング画像は次々と公開されていますが、おおむね背面カメラ部分が分厚くなるとの説が有力です。これはセンサーの大型化やその他のカメラ機構の改良に対応するためと思われます。
ここ最近はiPhoneとハイエンドAndroid端末のカメラ性能をめぐる競争が激化しており、高級なProモデルのみならず普及価格モデルでも高級カメラ並みの付加価値を載せる方針かもしれません。